ヨーロッパの強豪クラブで活躍する多くのタレントを擁し、今年のラグビーワールドカップで3大会ぶりのベスト8を狙う戦力はあると前評判が高いフィジー代表だが、ジャパンラグビートップリーグで偉大な記録を樹立したこともあるジャイアントBK、ネマニ・ナンドロの勇姿を見ることはないだろう。
NECグリーンロケッツ在籍時、2011年12月のホンダ戦でトップリーグ1試合最多となる6トライをマークし、2011-12シーズンには1シーズン最多トライ記録(当時)に並ぶ19トライを挙げてトライ王になったナンドロが、ワールドカップ開幕まで7か月半と迫った1月末、インターナショナルラグビーからの引退を発表した。
ちょうど31歳の誕生日を迎えた日だった。フィジー代表ジャージーを着てファンに手を振る自身の写真をソーシャルメディアに投稿し、「私の最愛の国であるフィジーの代表としてプレーすることを終える決断をした。2010年にデビューしたとき、こんなに長くフィジーの小さな島を代表してプレーするとは思わなかった。コーチ、トレーナー、フィジオ、関わったすべての人々に感謝している。そして、一緒にプレーしたことを光栄に思っている過去と現在のプレーヤー全員に、大きなVINAKA(ありがとう)を言いたい。何よりも、フィジー国内外のすべてのフィジーの人々に」とコメントした。
フィジー代表として30キャップを重ね、2015年のワールドカップにも出場。身長194センチ、体重130キロの大型CTB/WTBは、世界屈指の破壊力を誇るランナーであり、テストマッチで通算19トライ、足業も器用でプレースキッカーも務め、計224得点を記録した。
ニュージーランドのクルセイダーズで活躍後、2016年にフランスに渡って現在はモンペリエに所属している。2021年まで契約を結んでいる同クラブでのプレーは続ける予定だが、サラリーを払ってもらっているクラブチームへのコミットメントのほかに、昨年10月に手術を受けた膝の状態も、ワールドカップ前に代表引退を決めた理由かもしれない。
なお、同じくモンペリエに所属するテストキャップ33のWTBティモジ・ナングサ(31歳)も、フィジー代表から退く意向を示している。
9月20日に開幕するワールドカップ日本大会で、フィジーはプールDに入り、オーストラリア、ウェールズ、ジョージア、ウルグアイと対戦する。