ラグビーリパブリック

無駄な時間は過ごさない。リーチ主将、「W杯で6試合戦い抜く土台作る」。

2019.02.05

充実のオフを経てエネルギー満タンのリーチ マイケル主将。(撮影/松本かおり)



 どっしりかまえていた。
 余裕すら感じられる一方、覚悟を決めた人間だけが出す凄みもあった。
 2月4日から都内で始まった日本代表ワールドカップトレーニングスコッドのキャンプの初日を終え、日本代表のリーチ マイケル主将が「(6週間のトレーニング期間で)ワールドカップで6試合以上を戦い抜くためのベースを作る」と話した。
 この日は30人(リハビリ3人)が町田市のキヤノンスポーツパークに集合。フィットネステストやスキル練習をおこなった。

「ラグビー人生で初めて」という6週間のオフを故郷のニュージーランド、フィジーで過ごしたキャプテンは言った。
「家族との時間も多く持てたし、エネルギーを貯めることができた」
 それは他の選手たちも同じと感じた。
「フィットネステストをやりましたが、とんでもない数字を出した人はいなかった。ちゃんと休んでいた証拠」
 リーチが「いいスタートを切れた」と言うのは、仲間たちがリフレッシュ状態でこの日を迎えられたことも理由のひとつだ。

 この日から始まったキャンプは、同地で約1か月を過ごし、千葉、沖縄と場所を変えて、3月20日まで続く。
「この間にファンダメンタルスキルを高め、強い体を作る。日本代表としての戦い方はできているので、個人のベースを高めたい。(ワールドカップで)ベスト4以上を目指すための土台を作る」
 チーム内の競争が高まっていることも感じている。



 2015年、ワールドカップイヤーが始まった頃のチーム状況と現在を比べ、「全部違う」と言い切った。
「あの頃は(日本の)スーパーラグビー(参戦チーム)もなかったし、海外でプレーしている選手もわずかだった。今回の方が上。前回は(1991年大会で1勝しただけの)チャレンジャーだったけど、今回は前回大会で3勝して強いメンタルを持っています」
 自身が充実期にあるタイミングに日本でのワールドカップが開催されることについて、「こんな大きなチャンスは二度とない。楽しみだし、責任を強く感じる」と話す。

 シックスネーションズの視察のため、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ不在の中で始まった今回のキャンプ。その影響か「ピリピリ感はなかった」と、リーダーは感じた。
 リーチ主将は、それでいいと言った。
「(緩みに)流されないようにしていれば問題ない。監督が来たら練習の質が上がるようなチームなら、レベルが低いと言うこと」
 もう、そんなチームではない自信がある。

オンとオフは切り替えながらも、キャンプ中はラグビーに集中しよう。そんな空気を作るため、「24/7」をスローガンに掲げる。
「トゥエンティーフォー・セブン」(24時間/1週間)
 6週間のキャンプ中、無駄な時間を過ごすことはやめようという呼びかけた。リフレッシュした心身を、あらためて戦闘モードに持っていく大切な時間。土台をより大きく、しっかりと築けたなら、その先に残す結果も大きくなると信じているからだ。
 すべてが終わったときに悔やむことだけはしたくない。


「4年前とは全部違う」チームになった。(撮影/松本かおり)