この秋開催されるラグビーワールドカップで初のベスト8以上を狙う日本代表にとって、最大の難敵になるであろう欧州勢の一角、スコットランド代表が、シックスネーションズの初戦で高いチーム力を見せた。2月2日に地元エディンバラのマレーフィールドでイタリア代表と対戦し、33-20で快勝。日本での大舞台に臨む前に、20年ぶりの欧州制覇に燃えている。
序盤に流れを引き寄せたのはキャプテンのSHグレイグ・レイドローだった。
イタリアにPGで先制されたものの、スコットランドは前半11分、密集からボールが出たところへレイドローがすばやく反応してセービング。まもなく、SOフィン・ラッセルが正確なクロスキックを放ち、左外でダイレクトキャッチしたWTBブレア・キングホーンがゴールに持ち込んだ。
20分には敵陣深くでのスクラムから、ボールを手にしたSHレイドローが攻める方向をとっさに変えて左へ展開し、バックスがループをはさんでディフェンスを崩し、キングホーンが連続トライ。
12-3で迎えた後半、キック&チェイスで相手にプレッシャーをかけ続けたスコットランドは46分(後半6分)、敵陣22メートルライン手前のラインアウトから攻めるチャンスを得て、ボールを動かしWTBトミー・シーモアが突破、ゴールに迫ってたたみかけ、SOラッセルがディフェンス裏にキックし、いち早く反応したFBスチュアート・ホッグがインゴールに転がったボールを押さえトライが認められた。
53分にはFLジェイミー・リッチーの突破からチャンスとなり、同じ22歳のWTBキングホーンがハットトリックを達成。
61分には66キャップ目のFBホッグがカウンターアタックで大きくゲインして敵陣深くに入り、テンポよくリサイクルしてCTBクリス・ハリスがトライゲッターとなった。
30点差をつけたスコットランドは、70分に反則でイエローカードを提示され、数的不利となってラスト10分間にイタリアに3トライを奪い返されたが、その前の貯金のおかげで逃げ切り勝ちとなった。