東京都新人大会の準決勝が1月27日に葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場でおこなわれた。
2018年度全国高校大会の東京第1、第2地区予選決勝を戦った4校が出場。第1地区優勝の早稲田実業高等部は第2地区準優勝だった目黒学院高を後半突き放し、26-7で下した。第2地区優勝の本郷高は第1地区準優勝・國學院久我山高とぶつかり、後半15分すぎからお互い逆転を繰り返すも29-28と1点差で逃げ切った。
早実と本郷は2月9日から開催される関東高校新人大会への出場権を得た。決勝は2月3日に奥戸でおこなわれる。
■歴史を作った早実
競技場の横を流れる中川から冷たい強風が選手たちを襲う中で準決勝はおこなわれた。
早実が関東高校新人大会出場という初の快挙を成し遂げた。試合前日にFL細川大斗主将が「関東新人大会に出るという歴史を作ろう」と部員に呼びかけた。
試合はパワーがある選手を持つ目黒を2人、3人のタックルで止め続けた。
前半3分、目黒陣の左ラインアウトを早実が展開する。LO池本大喜が目黒ディフェンスを振り切り右中間インゴールへ飛び込み先制した。
バックスタンドから斜めに吹き付ける強風の影響でパスに微妙な誤差が出る。目黒は前半終了前に2度にわたりフェーズを重ねつづけゴールへ迫るも、ノックオンで前半を終えた。
後半最初の得点も早実。4分、早実が風下、自陣からのハイパント、目黒が処理を誤り早実がボールを確保し進む。左隅にトライを奪った。目黒も7分に早実陣5メートルのマイボールスクラムを得ると、LO木幡真礼がゴールポスト中央に飛び込んで12-7と迫った。
元気が出た目黒が次々とランで攻めるが、早実が止め続ける展開に。NO8タニエラ・ヴェアがたまらずボールをこぼす。すると15分にスクラムから、21分にラインアウトとセットプレー起点に早実が2トライを奪い、決勝へ駒を進めた。
「目黒のフィジカルの強さにタックルで対抗できた」と早実の大谷寛ヘッドコーチはディフェンスを称えた。昨年、花園で流経大柏高に完敗し気づかせてくれた「80分間、ダブルタックルをできる体作り」を少しずつ上積みしていくという。
■ディフェンスの勝利 本郷
本郷もディフェンスで耐え抜いた。前半開始直後から5分間、久我山の攻撃をしのいだ。最初に久我山陣へ入った11分、ゴール前ラインアウトをモールで押し込みNO8福澤慎太郎がファイブポインターとなった。
そこからは点の奪い合いになる。15分、久我山がWTB佐々仁悟のトライとゴールキックで逆転すると、22分には本郷が福澤の2本目のトライでゲームをひっくり返す。前半最後は久我山LO井草城ノ介がトライし、10-14で折り返した。
後半最初も久我山がトライを挙げ、コンバージョン成功で10-21と点差が開く。しかし11分、久我山がシンビンで1人欠いた後、この反則から本郷はスクラムを選択し右中間インゴールへトライを取り切った(15-21)。さらに4分後、本郷は自陣ラインアウトから左へ回すとWTB清水鳴哲がライン際を快走しインゴール中央へ飛び込んだ。中央のトライで、これまで3度ゴールキックを外していたSO吉岡鱗太朗も決め、22-21へ。だが久我山もあきらめない。20分、本郷陣ラインアウトをモールで押す。ラックからFW百枝樹生がトライし、ゴールも決まって22-28と再びリードした。
だが、リスタートのキックで風がいたずらをしたか。久我山がボールをこぼす。本郷が奪い攻め続けて、CTB高橋陽太がポスト左にトライを決めた。そして、吉岡がゴールキック成功、29-28。本郷は残り10分間の攻防を耐え、勝利を得た。
渡邉宣武監督は「前半最初に守れたことが大きい。どちらが勝ってもおかしくない試合でした。決勝は、早実の方が仕上がっている」と挑戦する構えだ。