ラグビーリパブリック

松橋周平はどんな選手か。大舞台での代表復帰へ「自分の強みに立ち返る」。

2019.01.24

日本代表復帰を目指すリコーの松橋周平(中央)。カップ戦でもアピールした(撮影:高塩 隆)

 味方のキックを追った先でのタックルで相手を仰向けにしたり、接点に身体を差し込んで敵の持つボールへ絡みついたり。突進でも光る。

 リコーの松橋周平副将は1月19日、埼玉・熊谷ラグビー場でのトップリーグカップ順位決定トーナメント2回戦にFLとして出場。NECを28-17で制した。

 今年秋は、ラグビーワールドカップ日本大会がある。日本代表としての活躍を目指す松橋は、今季の活動指針を明かす。

「1月に入ってから気持ちを切り替えて、自分の強みに立ち返っています。ビッグイヤーは自分の色を出そう、と。調子はいいです」

 身長180センチ、体重99キロの25歳。明大卒1年目だった2016年度は、日本代表デビューを果たしてトップリーグの新人賞を獲得した。ルーキーイヤーから披露した粘り腰での突破は、翌年度のスーパーラグビーでも披露。ナショナルチームとリンクするサンウルブズに入り、大男の懐を切り裂いてきた。

 好事魔多し。同年秋、右ひざ前十字靭帯の怪我を負ってしまう。もっとも、転んでもただでは起きないのが松橋だった。

 雌伏の時は、身体操作の方法を見直し。明大時代に知り合った理学療法士の真木伸一氏のもとへ通い、怪我を予防しながらもシャープに動けるよう努めた。リコーの戦列に戻った2018年度は代表復帰こそ叶わなかったが、自信は失わなかった。

 現在、代表の主力候補が入るラグビーワールドカップトレーニングスコッド(RWCTS)からは漏れている。その予備軍にあたるナショナル・デベロップメント・スコッドに名を連ね、逆転当選を狙っている。

 そして打ち出したのが、「強みに立ち返る」という方針だ。

 松橋は1月に入ると、ランと接点でのプレーに個人練習の時間を割く。アピール機会となる1月のカップトーナメント終盤戦で、自分がどんな選手なのかを再提示するつもりだった。

「前まではリハビリをしながら、ワールドカップに向けて全てを高めていかなきゃいけないと思ってやっていた。そのことでいい方向には行ったんですけど、今年は自分の色を出した方がいいと思いました。結果は後からついてくるもの。いま、この瞬間に100パーセントの力を出す。このひとつのプレーが終わったら、次、次…と力を出して、その結果、ワールドカップでも活躍できる」

 オーディションを受け続ける。2月2日には岐阜メモリアルセンター長良川競技場での「日仏ラグビーチャリティマッチ」に、トップリーグ選抜の一員として参加。フランスのプロクラブ、ASMクレルモン・オーヴェルニュと対戦する。2月3日からのRWCTSキャンプ(都内)に追加で呼ばれるべく、「いま自分ができるのは、(代表に)呼びたいと思ってもらうよういいパフォーマンスをすること」と勇ましく誓う。

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