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清宮監督、ヤマハラスト采配。「忘れない」シーンの数々に満足。

2019.01.20

ヤマハ最終戦後、宮澤正利ら選手たちと握手する清宮克幸監督(撮影:高塩 隆)

 ラストワンプレーはスクラムだった。ヤマハは豊田自動織機を押し込み、反則を誘う。そのままボールを蹴り出し、35-31で勝利。この日最後の采配を振った清宮克幸監督は、こう笑った。

「いいシナリオライターがいるな…と。ペナルティを取って『ウォー』と叫んで終わるんだろうと思って、その通りになりました」

 1月19日、埼玉・熊谷ラグビー場。2011年に就任の指揮官は、このゲームを最後に退任する。もっとも当の本人は、「私にとってのラストゲームはサントリーとのプレーオフ準決勝(12月8日/東京・秩父宮ラグビー場/●25-28)」。この日のカップ順位決定トーナメント2回戦は、「引退者のためのラストゲーム」として臨んだという。左PRとして先発フル出場の仲谷聖史ら、今季限りでスパイクを脱ぐ選手をねぎらった。

「試合のなかで『お、これは忘れないだろうな』というシーンがたくさんあって。選手たちも楽しんでやってくれたと思います」

 着任してから、他クラブに注目されなかった選手の個性を最大化。日本選手権を制した2014年度から5季連続で、トップリーグ4強入りを果たした。

 以前は早大、サントリーの指揮官としても手腕を発揮してきたが、「ヤマハの8年は充実したもの。僕にとっての新しい8年間だったと思います」と振り返った。最後のプレーがスクラムになったことに「いいシナリオライターが…」と笑ったのは、強化の軸にスクラムを据えていたからだ。

「試合中はイヤホンをしているのですが、そこから現場の声が聞こえるんですよね。スクラムのたびに、山村(亮、右PR)と仲谷が吠えているんです」

 今後については、1月29日の都内での会見で話す見込み。今後のラグビーへの関わりを聞かれても、「僕は、ヤマハが好き。いい仲間と出会えて素敵な8年だったということです」と話すに止めた。

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