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サンウルブズは日本代表強化のためのツールではない。ブラウンHC語る。

2019.01.10

「日本ラグビーにとって大事な1年」と話したトニー・ブラウン ヘッドコーチ。(撮影/松本かおり)

 淡々とした口調ながら、強い意志を示した。
 1月9日、今季サンウルブズの指揮を執るトニー・ブラウン ヘッドコーチ(以下、むHC)が1月14日から始まるプレシーズン合宿、2月16日から始まるシーズンへの抱負を会見で口にした。

 同HCは日本代表のアシスタントコーチも務める。しかし、「サンウルブズは日本代表を強くするためのツールではない」と結果を追求することを明らかにし、「すべての試合に勝ちたい。最大限の準備をして最大限のパフォーマンスを出す。タイトルを獲るぐらいの結果を出したい」と話した。

 昨季は最終的に3勝をあげるも、開幕9連敗のスタートだった。その苦い経験を今年に活かす。
「昨シーズンの序盤を振り返ると、選手たちはスーパーラグビーを戦うコンディションに到達しておらず、自分たちのスタイルに対する理解も不十分でした。だから、今年の挑戦は、勝つためのスタンダードにはやく到達することです。昨年より準備期間も長いし、プレシーズンマッチもある。しっかり準備して、昨年終盤の高まったスタンダードからスタートできるようにしたい」

 チームは1月14日から千葉・市原でキャンプに入り、別府、市原と移動しながら練習を重ね、豪州・メルボルンへ。レベルズとのトライアルマッチを経て、2月16日の開幕戦(シンガポール)でシャークスと戦う。

 代表チームの強化ツールではない。
 刺激的な言葉にも聞こえるが、ジャパンとサンウルブズが密接な関係性を持って活動を続けていくことに変わりはない。
「プレースタイルがジャパンとリンクしているのはこれまで通りです。スピード、スキル、スペースをアタックしていく。ボールインプレーを長くし、セットピースを避ける。そういったものが自分たちの勝つ可能性を高めるし、観る人たちを楽しませるでしょう」

 ただ日本代表の選手たちに対しては、「9月にワールドカップで100パーセントの力を出せるようにしたい」と言いながらも「スーパーラグビーのレベルにあるなら、サンウルブズでも試合に出られる」と厳しさものぞかせた。
 実力主義を打ち出す。

 まもなく始まるプレシーズン合宿やシーズン序盤は、日本代表資格のない外国人選手や一部の日本人選手が参加して戦う。
 コンディション調整の必要な日本代表選手たちの合流については「第6節あたりを予定している」と話した。

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