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大阪桐蔭が悲願の花園初制覇! 春王者・桐蔭学園との大接戦制し高校ラグビー日本一!

2019.01.07

モールを組んでゴールへ向け前進する大阪桐蔭(撮影:早浪章弘)

 東大阪市花園ラグビー場で熱戦が繰り広げられてきた「第98回全国高校ラグビー大会」は、1月7日に決勝戦がおこなわれ、2大会連続の決勝進出となった大阪桐蔭(大阪第1)が春王者の桐蔭学園(神奈川)を26-24で倒し、悲願の初優勝を遂げた。春の全国高校選抜大会では決勝で桐蔭学園に敗れており、シーズンを締めくくる大舞台の花園でリベンジとなった。平成最後の高校チャンピオン、そして日本初開催ワールドカップイヤーという記念の年のはじめに栄冠に輝いた。

 国内高校ラグビー最高峰の激闘、大接戦となった。
 大阪桐蔭は前半7分、FWがスクラムで押し勝ち相手の反則を引き出すと、敵陣に入ってラインアウトから攻め、WTB三島琳久が突破、パスをもらったFB伴井亮太がゴールへ走り切り、先制した。13分には両CTBのシザースも機能してWTB野村将大がブレイクスルー、敵陣深くに入ってたたみかけ、SO嘉納一千がゴールラインを割り加点した。

 12点ビハインドとなった桐蔭学園は22分、ゴール前のラインアウトからサインプレーが決まってPR床田淳貴がインゴール右に飛び込み、この試合初得点。25分にはスピードあるWTB佐々木隼の好走で敵陣22メートルライン内に入り、連続攻撃から、PR鈴木康平がパワフルに突っ込み仲間の後押しを得てフィニッシュした。コンバージョンも決まって12-12の同点となる。
 流れを変えた桐蔭学園はさらに28分、相手のラインアウト失敗からボールを手にすると、自陣深くからNO8佐藤健次の力走ゲインなどもあって一気に攻め上がり、敵陣22メートルライン手前からHO紀伊遼平、LO紀伊雄介、WTB佐々木とつなぎ、背番号11が逆転トライを挙げた。

 だが5点を追う大阪桐蔭は後半7分、今度は相手にラインアウトミスがあってチャンスを広げ、ゴール前中央でPKを得るとタップからトライを狙いに行き、パワープレーでPR江良颯が取り切った。コンバージョン成功で逆転。流れを変え、17分には敵陣22メートル内でモールを形成して力強いドライビングで追加点を奪った。26-17となる。

 8年ぶり2度目の花園制覇、そして単独での優勝を目指す桐蔭学園(第90回大会は東福岡と引き分け両校優勝)は終盤の28分、CTB江川剛人がハーフウェイから抜けてゲインし、FB伊藤大祐がサポート、そしてパスをもらったキャプテンのSH小西泰聖がフィニッシュし、SO津田貫汰のコンバージョンも決まって2点差に詰めた。

 そして、残りわずかな時間で逆転を狙う桐蔭学園は自陣でボールをつなぎ、突破口を探す。しかし、大阪桐蔭のCTB高本幹也が出足鋭い強烈なタックルで相手選手を仕留め、チームはボールを奪い返し、時間を使い切ってノーサイド。白地に紺ラインのジャージーを着た選手、仲間、指導者、応援者たちが歓喜となった。

 悲願を達成した大阪桐蔭の綾部正史監督は優勝インタビューで、「最後の試合だったので、最後までやり抜いてほしいなと思っていた。子どもたちを信じていた。タフなことができる選手に成長してくれた」と、強い精神力で勝利をつかんだ選手たちを称えた。
 昨年度は初めて決勝進出を果たしたが、東海大仰星との大阪勢対決に惜敗し、涙をのんでいた。「あの日が僕たちのスタートだったので、この1年(悔しさを)エネルギーに変えて、しっかりとやってきたことがこの結果だと思う」と綾部監督。初優勝を成し遂げた選手たちに対してのコメントを求められると、「立派という言葉しかない。本当に感謝。君たちが日本一だよ、おめでとうと言いたい」と話した。

7年連続13回目の花園出場で悲願の初優勝を果たした大阪桐蔭(撮影:早浪章弘)
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