ラグビーリパブリック

8強唯一の公立校・長崎北陽台は敗退… 九州仲間の思いを背負い東福岡が前進

2019.01.03

東福岡の突進に突き刺さるタックルで対抗する長崎北陽台(撮影者:牛島寿人)

 第98回全国高校ラグビー大会において、公立校で唯一ベスト8入りした長崎北陽台が、同じ九州勢で、ともに高め合ってきた好敵手である東福岡と花園で激突し、精いっぱいのチャレンジをして舞台を去った。1月3日におこなわれた準々決勝の第1試合、東福岡が40-12で勝利。高校日本代表候補11人を擁し、2年ぶりの王座奪還を目指す九州王者の東福岡は、6大会連続のベスト4入りとなった。

 最終的に点差は開いたが、後半途中までは接戦だった。

 前半2分、東福岡が自陣深くからのカウンターで大胆に攻め、スピーディーにつないで、FB古里樹希がゴールに持ち込み先制した。さらに東福岡は7分、堅い守りで相手に落球させ、チーム一の俊足であるWTB志氣陸王が自陣から鋭いステップとスピードでゴールへ駆け抜け追加点を挙げた。
 粘り強い守りも強さのひとつである東福岡は前半、26フェイズを重ねた長崎北陽台の攻撃をしのぎ、14-0とリードして折り返した。

 ヒガシに負けじと辛抱のディフェンスで食らいついていた長崎北陽台。後半6分、ロングスローインのラインアウトからFL山内裕斗の力強い突進で敵陣深くに入って攻めたて、キャプテンのNO8山添圭祐が執念でインゴールにねじ込み、コンバージョンも成功で7点差に詰めた。

 しかし、ここから東福岡が攻撃力を見せる。13分に敵陣で攻撃権を奪い返すとテンポよく右へ展開し、大外でもらったWTB志氣がコーナーにフィニッシュ。20分には敵陣22メートルライン中央付近からモールを形成してゴール前まで押し込み、持ち出したSH友池瞭汰がトライゲッターとなり、点差を広げた。23分には勝負強いWTB高本とむがトライ。試合終了間際には志氣がハットトリックを決め、勇敢な挑戦者だった長崎北陽台を退け、ベスト4入り一番乗りとなった。

 東福岡の藤田雄一郎監督は、前半の長崎北陽台の猛攻を耐えたディフェンスをこの試合のターニングポイントとし、「よく頑張ってくれた」と選手を称えた。
 HOの福井翔キャプテンは「受けずに向かっていけたことが良かった。次の試合は北陽台の分も背負って勝ちにいきたい」とコメントした。