関西王者の天理大学が、前人未到の大学選手権10連覇を狙った帝京大学を破った。2019年1月2日、東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれた第55回大会の準決勝で対戦し、29-7で快勝した。2009年度から大学ラグビー界の頂点に君臨し続けた赤いジャージーの最強軍団、帝京大学の大記録は止まった。
初の大学日本一を目指す天理大は、7年ぶりの決勝進出となる。
帝京大は試合の序盤に司令塔のSO北村将大を失った。前半5分、相手のパワフルなCTBシオサイア・フィフィタへタックルに行ってノックダウン、脳しんとうの疑いでプレー続行不可となった。
前半、天理大はボール支配率で上回り、試合の主導権を握った。
11分、天理が先制。チーム一体となってボールを継続し、WTB久保直人が右サイドを抜けてゴールに持ち込んだ。19分にはスクラムで圧倒して大きく前進し、帝京大が故意に崩したとして、戸田京介レフリーはペナルティトライを宣告した。
12点を追う展開となった帝京大はその後、ハーフウェイから独走した相手CTBフィフィタをWTB木村朋也が追いついて止めるなど、徐々にリズムを取り戻していったが、32分にショットを選択せずトライを狙いに行ったドライビングモールは止められ、12点ビハインドで折り返した。
早めに点差を詰めたい帝京大は後半、すぐに取り返した。43分(後半3分)、CTBニコラス・マクカランのゲインで敵陣22メートルライン内に入り、FWが近場を突いたあとボールを動かし、FB竹山晃暉がディフェンス裏にキック、インゴールに転がったボールをWTB木村が押さえた。竹山のコンバージョンキックも決まり、5点差とした。
しかし天理は50分、この日優勢だったスクラムでまたも相手の反則を誘い、流れを変える。敵陣深くに入って攻め、ゴール前中央でモールを形成して前進し、塊に加わっていたCTBフィフィタが豪快に突っ込んでトライを奪った。58分にはハーフウェイのスクラムでプレッシャーをかけたあとボールを動かし、WTB久保が中央突破でゲインして敵陣深くに入り、たたみかけて、NO8ファウルア・マキシがゴールラインを割ってリードを広げた。その後、PGで3点を追加し、29-7となる。
天理大はスクラムで圧倒しただけでなく、しぶといディフェンスでも帝京大を苦しめ、ついに王者を倒したのだった。
決勝は1月12日、天理大学と明治大学が大学日本一をかけて秩父宮ラグビー場で対戦する。