第98回全国高校ラグビー大会の3日目(12月30日/東大阪市花園ラグビー場)。ノーシードながら1回戦で実力の高さを示し、台風の目になるかもしれないと評判の京都成章が、2回戦でBシードの佐賀工業(国体3位)に33-0と快勝した。
前半6分にディフェンスでプレッシャーをかけてターンオーバーすると、WTB南部翔大がハーフウェイからゴールへ走り切り先制した。14分にはモールで押し込み、20分には再び南部が50メートルを快走。後半8分には佐賀工がテンポよく攻め込んだが、京都成章は自陣深くでターンオーバーしてボールを回し、身長174センチ、体重90キロの俊足WTB南部がタックラー2人を外して今度は約80メートル走り切り、ハットトリックを達成した。26分にはCTB長森雅大が中央突破でトライを奪い、だめ押しとなった。
佐賀工はキャプテンのNO8水間夢翔がダイナミックな走りでビッグゲインするなど光ったシーンもあったが、ノートライに終わり敗退となった。
勝った京都成章は3回戦でBシードの流経大柏(千葉)と対戦する。
春の全国高校選抜大会で準優勝だったAシードの大阪桐蔭(大阪第1)は、悲願の花園初優勝へ向け、チーム初戦となった2回戦で土佐塾(高知)を86-7と圧倒し好スタートを切った。
ノーホイッスルトライで先制した大阪桐蔭は、FL奥井章仁が突進して次々とタックラーを弾き飛ばすなど、全国随一といわれるフィジカルの強さを見せ、WTB芦塚仁、CTB高本幹也、CTB三島琳久などバックスのランナーも躍動。強く、速く、スキルフルで計14トライを重ねた。
大差をつけられた土佐塾だが、後半19分、FW・BK一体となった連続攻撃でゴールに迫り、CTB小谷暁が執念でトライを取り切り意地を見せた。
全国選抜大会でベスト4だった天理(奈良)は、岡谷工業(長野)を43-5で下した。
身長169センチ、体重102キロのU17日本代表PRでもある2年生の中山律希が前半30分間で5トライ。2本はモールでフィニッシュし、2本は走力の高さを披露、もうひとつはゴール前のクイックタップから強さを発揮して得点を重ねた。
岡谷工は後半19分にモールで前進し、PR三鬼佑斗がインゴールに突っ込んで5点を刻んだ。
勝った天理は3回戦で同じBシードの中部大春日丘(愛知)と対戦する。
東北王者・黒沢尻工業(岩手)は、静岡聖光学院に苦しめられたが17-12で競り勝った。
前半7分に黒沢尻工のFB手束勇陽がハーフウェイから軽快なフットワークで50メートル走トライを決めれば、静岡聖光は22分、敵陣深くのスクラムでターンオーバーし、近場を突いてHO水野龍太郎が5点を奪い返した。28分、黒沢尻工はゴール前のスクラムから展開して左外のWTB阿部有がトライを挙げ7点リードとしたが、静岡聖光は後半20分、NO8植田歩がゴール前スクラムからのサイドアタックで取り切り、途中出場したキャプテンのSO高成田光がコンバージョンキックを決めて同点に追いついた。
黒沢尻工にとってはいやな流れとなったが、後半25分、敵陣22メートルライン付近のラインアウトからドライビングモールでゴールに迫り、FL北田卓寛が持ち出して勝ち越しトライを獲得。そして5点差のままノーサイドの笛が鳴った。
黒沢尻工は3回戦で同じBシードの常翔学園(大阪第3)と対戦する。