ラグビーリパブリック

「コンタクトをバチバチやりたい」。東軍で花園女子出場のSO高木萌結。

2018.12.29

萌結と書いて「もゆ」。ラグビーのない生活は考えられない。(撮影/松本かおり)

 東大阪市花園ラグビー場で12月27日に開幕した第98回全国高校ラグビー大会で、男子の熱戦に先立ち、東日本、西日本の女子選抜選手による対抗戦「U18花園女子15人制」がおこなわれ、西軍が12-10で東軍に勝利した。西軍勝利は2015年以来3年ぶり。

 東軍のSOとして3年連続出場を果たした高木萌結(横河武蔵野Artemi-Stars/法政大学第二高校3年)は、3年間で初となる黒星に「高校最後の試合でしたが悔いが残る結果になってしまいました」と振り返った。しかし大舞台での接戦を満喫して「大学でも15人制を頑張りたい」と笑顔で未来を語った。

 2016年度から共学化した法政二高(神奈川)の女子1期生。元日本代表の伊藤剛臣らを輩出した県内強豪で、部史上初の女子選手として活動してきた。

「初めての女子ということで、監督や顧問の先生方に良くして頂きました。私がやりやすい環境を整えて頂いていたので、法政二高に入って良かったなと思います」

 ラグビーは横浜ラグビースクールで小学5年から始めた。ただタグラグビーなら幼稚園から経験。男子に混じってプレーを続けて、法政二高でも唯一の女子選手。一人でも頑張れる大きな理由は「ラグビーのない生活は考えられない」と思っているからだ。

 憧れの選手はニュージーランド代表のボーデン・バリット。10月27日に横浜で行われたブレディスローカップ2018「ニュージーランド代表×オーストラリア代表」を観戦するため、日程が重なった文化祭は許可を得て早退した。

「試合前のアップから全部かじりついて見ていました(笑)」

 ラグビーを心から楽しんでいる高木は、高校卒業後、女子ラグビー選手の受け入れ体制がある青山学院大学に進学する。

「15人制を勉強したいということで、青山学院大学に入ります。男子に混じってコンタクトをバチバチやると聞いているので(笑)」

 法政大学を選ぶこともできたが、男子に混じりコンタクトを“バチバチ”やりたいという理由で進路を変えた。

勇敢な一人のラグビー選手である高木は、目標も高い。目指すところを決然とした口調で、しかし笑みを湛えて「15人制の日本代表になってワールドカップに出場したいです」。きっとこれからもずっとラグビーと歩んでいく。

(文/多羅正崇)

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