ノーシードから頂点を目指す京都成章が、第98回全国高校ラグビー大会で大勝発進した。12月27日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれた1回戦で仙台育英(宮城)を81-0と圧倒した。
計12トライをあげた猛攻の皮切りは前半7分、CTB長森雅大が自陣深くから突破してFB二村莞司の50メートル独走を演出。13分にはSO辻野隼大の好走からSH藤谷龍哉のトライが生まれた。スピードがある京都成章のランナーたちを仙台育英は止めることができず、19分と22分にはWTB南部翔大がフィニッシャーとなる。24分には南部の強さがCTB長森のファイブポイントにつながった。FWも運動量豊富で、ハーフタイム前にはPR倉田真が力強い走りで加点し、前半だけで41-0と大差をつけた。後半も6トライを追加。
一方、なかなかチャンスを作れなかった仙台育英は終盤に敵陣深くに入り、連続攻撃で、CTB伊藤航汰が勇敢にタテを突くなどしてゴールに迫ったが、京都成章のディフェンスは規律よく、堅かった。
5年連続の出場となった鹿児島実業は、10月に亡くなったラグビー部創設者の楠原義幸先生に勝利を届けた。3年ぶり出場の魚津工業(富山)と1回戦でぶつかり、45-14で快勝した。
鹿実は前半8分、相手のラインアウト失敗で得たボールをテンポよく動かし、FB竹内義毅が先制。12分にもラインアウトでスチールし、ワイドに展開してWTB山戸幸紀のトライが生まれた。15分にはSO手蓑陸人が自陣からランでブレイクし、WTB前原翔海につないで追加点。17分にはCTB福島大貴の好走で敵陣深くに入りたたみかけ、HO白寒水元がフィニッシュ。20分には俊足のWTB山戸が自陣から約70メートルの距離を飛ぶように駆け抜け、前半だけで33-0とし、ほぼ勝負を決めた。
3回目の花園挑戦で初勝利とはならなかった魚津工だが、チーム一体となって17フェイズを重ねた後半16分、キャプテンのSO高瀬遊介が防御網を破り初トライをあげた。26分にも高瀬とFB川上聖人の好走で敵陣深くに入り、FWが連続で前進、そして副将のNO8河尻龍世がインゴールに持ち込み、仲間の奮闘を得点に結びつけた。