優勝の喜びに浸る関西学院上ヶ原。
関西学院上ヶ原のFB池田駿平(3年・芦屋学院)。(撮影/松本かおり)
両チーム力を出し合った。写真は関西学院上ヶ原CTB13番深見塁(2年・成蹊)。
(撮影/松本かおり)
関東・関西の学生クラブチームの王座を決める第17回東西学生クラブ対抗試合が12月23日、熊谷ラグビー場Bグラウンドでおこなわれた。
4年連続9回目の出場の関西学院上ヶ原(関西学生クラブ選手権優勝)が初出場の法大工学部(関東学生クラブラグビー選手権1部優勝)に17-12で勝利し、第9回大会(2010年=同点優勝)以来、8年ぶり2度目の大学クラブ王座に就いた。
先制トライを奪ったのは法大工も、前半の中盤から上ヶ原がペースをつかみ3連続トライ。前半を17-5とリードした。
晴れ間が覗きだし、隣接するメインスタジアムで始まったトップリーグ入替戦の熱戦から歓声が聞こえだした後半。上ヶ原は立ち上がりにミスから法大工にトライを許す。そのままペースを渡すかと思われたが、懸命のディフェンスで追加点を与えなかった。終盤も攻め込む相手の前進を許さず、最後は反則を誘ってノーサイドを迎えた。
昨季のリーグ5位から大躍進した法大工は、多くのOBが応援に駆けつけるも、あと一歩のところでタイトルを逃した。
昨季オフから対戦チームの分析、ディフェンス強化に努めた。リーグ戦では1敗したものの、東西対抗2連覇中の明大MRCとの大一番を制し、創部30年目のシーズンで大きな成果を得た。
最後の攻撃で攻めあぐねたシーンを村瀬史記ゲームキャプテン(3年・八千代松陰)は「まだ攻撃のバリエーション、工夫が足りなかった」と悔やんだが、「来年また戻ってきて借りを返したい」と前を見た。
昨年の東西対抗出場選手が多数残った上ヶ原は3連敗の悔しさを晴らした。
森空弥ゲームキャプテン(3年・市尼崎)は、「自陣からでも積極的にボールを回す上ヶ原のスタイルを通したことで、後半無得点だったものの、リードを守りきることができた」と試合を振り返った。
小宮宏輝監督は「交替のタイミングが難しく、1人だけにとどまったのは選手の目を見て“まだいける”と思って信じた結果」と話した。
「最後はよく耐えてくれた」
同監督は選手の奮闘を称え、初の単独優勝を喜んだ。
(文/池貝亨)