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サントリーが延長サドンデスでヤマハとの激闘制した! 3連覇に王手!

2018.12.08

ハットトリックを決めてサントリー勝利に大きく貢献したルーキーの尾崎晟也(撮影:大泉謙也)

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ヤマハのヘル ウヴェにダブルタックルするサントリー(撮影:大泉謙也)
 秩父宮ラグビー場で12月8日におこなわれたトップリーグ(兼 日本選手権)準決勝の第2試合は、延長にもつれる大熱戦となった。決勝進出を決めたのは、3連覇を目指すサントリーサンゴリアス。28−25で、ヤマハ発動機ジュビロを下した。
「レベルの高い、いいゲームだった」
 そう振り返ったのはサントリーの沢木敬介監督。9点ビハインドで折り返したが、後半から出場したリザーブメンバーを含めて選手たちが奮闘し、逆転勝利をつかんだ。
「はじめから厳しい試合になるのは予想していた。今日のキーワードは『がまん』になると思っていたので、それをみんなが体現してくれた」
 先制したのはサントリーだった。前半2分、ハーフウェイのラインアウトからの攻撃でSOマット・ギタウが抜け出し、パスをもらったWTB尾崎晟也が相手ディフェンダーを翻弄してトライを挙げた。
 しかしヤマハは13分、ラインアウトからモールで押し込み、HO日野剛志がグラウンディング。18分には相手のミスから敵陣での攻撃チャンスとなり、WTBシオネ・トゥイプロトゥの好走でゴールに迫ると、連続攻撃をLO大戸裕矢がフィニッシュし、逆転した。
 その後、互いにPGを1本ずつ決め、ヤマハの5点リードで迎えた37分、脳しんとうの疑いで一時退出していたギタウに代わりサントリーのSOに入っていた田村煕のキックを、ヤマハFLクワッガ・スミスがチャージし、トライ。
 流れを変えたいサントリーはハーフタイム前、フィールドに戻ったギタウのPGで9点差に詰め、13−22で前半を終えた。
 そして後半の立ち上がり、24フェイズ重ねるなど攻撃のテンポが良くなったサントリー。
「あれが僕たちのスタイル。ボールを持ってアタックする。そのマインドがトライにあらわれたと思う」(SH流大キャプテン)
 すると47分(後半7分)、ゴール前のラインアウトからのモールドライブは止まったが、右から左へ展開し、ギタウからロングパスをもらったWTB尾崎がトライゲッターとなり、コンバージョンも成功で2点差となった。
 互いに譲らぬ激しい攻防でしばらくスコアボードは動かなかったが、70分、サントリーが敵陣22メートルライン内でボールを奪い返したあと11フェイズを重ね、FLツイ ヘンドリックのマジックハンドからパスをもらったWTB尾崎が軽快なフットワークでタックラーをかわしてインゴールに突っ込み、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)でトライが確認された。25−22と逆転。
 しかし、トップリーグ初優勝を目指すヤマハも粘り、75分、敵陣深くのスクラムでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、33フェイズを重ねる。サントリーは規律よく守っていたが、反則が出て、土壇場でヤマハFB五郎丸歩がPGを決めて延長戦に突入した。
 そして、先に得点したチームが勝ちとなる延長4分、サントリーのFB松島幸太朗がキックレシーブからのカウンターで大きくゲインして敵陣に入り、ブレイクダウンでヤマハが痛恨の反則を犯す。注目が集まるなか、オーストラリア代表103キャップの経験豊富なギタウが約45メートルのPGを決め、ゴールデンゴールとなった。
 12月15日に秩父宮ラグビー場でおこなわれる決勝のカードは、トヨタ自動車を倒した神戸製鋼と、サントリーの対戦に決定。 
 3連覇へ向けての意気込みを訊かれたサントリーの沢木監督は、「神戸さんにはダン・カーター(元ニュージーランド代表の世界的スター)がいると思いますが、サントリーにはマット・ギタウがいます」と話し、自信の表情。
 流キャプテンは、「神戸さんにはリーグ戦で負けている(20−36)。今年一番強いチームだと思うので、チャレンジャーとして挑み、その結果、3連覇できたらいいと思っている」とコメントした。
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