今季リーグ戦で唯一の無敗チームだった神戸製鋼コベルコスティーラーズが、15シーズンぶりのトップリーグ制覇へ向けて前進した。12月2日に兵庫・ノエビアスタジアム神戸でおこなわれたプレーオフ準々決勝、リコーブラックラムズに63−27で快勝した。
神戸製鋼に流れを呼び込んだのは、世界最優秀選手賞に3度輝いたことがあるニュージーランド出身のスーパースター、ダン・カーターだった。前半3分過ぎ、ランで切り込んでゴールへ駆け抜け先制した。SOカーターはブーツでも着実に加点。
一方、序盤にPGで3点を入れていたリコーは17分、ハイパントを使って相手FB山中亮平がこぼしたボールをCTB牧田旦が拾い上げてゴールに持ち込み、2点差に詰めた。
しかし神戸製鋼は23分、相手がボールを失うとカウンターでWTBアンダーソン フレイザーが大きくゲインし、サポートしたSH日和佐篤がトライゲッターとなって流れを引き戻した。32分には細かくつないでWTB山下楽平が左外を抜け、追加点。38分にはカーターのピンポイントのキックパスからゲインして敵陣深くに入り、相手にプレッシャーをかけてマイボールにすると、クイックスローインからの連続攻撃をカーターがゴール右隅にフィニッシュした。カーターはタッチライン付近からのコンバージョンも決め、観客はどよめき、拍手を送った。
初のベスト4入りを目指したリコーはハーフタイム前、FWが近場でパワープレーを繰り返したあと左へすばやくボールを動かし、FBブライス・ヘガティがトライ。こちらも見事なゴールキックで、14点差に詰めて後半の戦いにつなげた。
29−15で始まった後半、しばらくスコアボードは動かなかったが、神戸製鋼は55分(後半15分)、カーターのPGで追加点を奪う。58分にはCTBリチャード・バックマンのビッグゲインで敵陣に入り、WTBアンダーソンが22メートルライン外から鋭角に切り込んでゴールに持ち込み、39−15とリードを広げた。神戸製鋼在籍10年目のアンダーソンは63分、67分にも連続トライを決め、勝負あり。
リコーは終盤に2トライを奪い返したが、反撃が遅かった。
神戸製鋼は12月8日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれる準決勝でトヨタ自動車と対戦する。