福工大NO8ファカタヴァがトライ。連続15得点を自らあげ逆転(撮影:見明亨徳)
朝日大CTBスフィアがしなやかなラン。後半1点差に迫るトライへ(撮影:見明亨徳)
「第55回全国大学ラグビー選手権大会 2回戦」が12月1日、パロマ瑞穂ラグビー場でおこなわれ、福岡工業大(九州学生リーグ)が55-40と逆転で朝日大(東海・北陸・中国・四国代表)を破り、3回戦へ進んだ。
試合は開始51秒で朝日大の左WTB大藪一真がトライラインを越えると、7分には自陣スクラムからCTBティモ・スフィアが突破し、スフィアのラストパスを受けた右WTB村上連太郎が右隅へ飛び込んだ。あっという間に朝日大が14点を奪う強襲。しかしこれで安心ができたか。吉川充監督は「少し慢心」と表現した。
入りの悪さに福工大、佐竹克基主将(FB)は仲間に呼びかけた。「タックルで1人目が上にいっている。練習通り下に入ろう。1対1でなく2枚目の形を作ろう」。これで目覚めた。
その代表がNO8で出場したソセフォ・ファカタヴァだ。本職はCTBでキッカー、目黒学院から九州にやって来た3年生。
10分、敵陣スクラムから持ち出すと左中間へ飛び込んだ。自らのコンバージョンは失敗。16分にPGを決めて8-14へ。そして21分に福工大がブレイクダウンでからみ奪ったボールをもらうとインゴールへ。13-14と1点差に迫った。ゴールキックは慎重に蹴り15-14。わずか11分間で15得点をあげ逆転した。
福工大はさらに22分、WTB辻翔太がトライを奪うとゴールキックも成功し22-14と突き放す。朝日大が前半終了前に1トライ1ゴールで7点返すも、22-21で折り返した。
後半最初の得点も福工大。3分、FLシオエリ・ヴァカラヒが朝日大ボールのラインアウトをターンオーバーしインゴールへ。コンバージョン成功で29-21。朝日大もCTBスフィアが10分にあきらめないトライ(ゴール成功29-28)。すると福工大が16分にトライ。スフィアも21分トライで36-33と行方は分からない。
そんななか、またもファカタヴァが魅せた。リスタートの23分、つなぎきったボールを最終ランナーとしてトライ。30分には朝日大陣でのターンオーバーから連続トライし、48-33。最後はお互い1トライずつ奪い、55-40で終えた。
ファカタヴァは話す。「きょうは(ゴールキックを)全部、決めることができなかった。足りないところを練習して来ます」。
昨年度の大会で3回戦まで進んだ朝日大。吉川監督は「勝たせることができなかったのは僕の責任」と肩を落とした。2年前の第53回大会、2回戦(2016年12月3日、瑞穂)で両校は対戦し、38-36で福工大が後半逆転した。朝日大はリベンジはならず。
福工大の宮浦成敏監督は「留学生のペネトレーターが起点になってくれた。キャプテンはよく切り返してくれた」と選手を讃えた。3回戦の相手は流経大(関東大学リーグ戦3位)。こちらはより強力な留学生を持つ。「(リーグ戦最終戦で)法政大が流経に見せて勝った(22-21)速い展開が参考になる。こちらはそれ以上のスピードでできないとぼこぼこにされる」(宮浦監督)。関東勢に勝ちベスト8以上を目標とする。
(文:見明亨徳)