トップリーグ3連覇を狙うサントリーサンゴリアスが、苦しみながらも準決勝進出を決めた。東京・秩父宮ラグビー場で12月1日、プレーオフ(1位〜8位決定トーナメント)1回戦をクボタスピアーズと戦い、22点リードから追い上げられたが、28−26で辛勝した。
「ファイナルラグビーで勝ち切ったことは、チームが成長できているということ」(沢木敬介監督)
「勝つことが大事。勝てたことがよかった」(流大キャプテン)
サントリーは前半に3連続トライで主導権を握った。14分にWTB中鶴隆彰が先制し、18分には日本代表デビューを果たしたばかりのルーキーCTB梶村祐介がキックチャージからトライ。28分にはNO8ショーン・マクマーンがパワーで壁をこじ開け、SOマット・ギタウのブーツでも得点を重ね、22−0とした。
クボタは35分、敵陣深くのスクラムからNO8ドウェイン・フェルミューレンがサイドアタックでゴールに迫り、FL末永健雄がピック&ゴーでトライを挙げたが、サントリーはハーフタイム前にPGで加点し、25−7で折り返した。
しかし、後半のゲームを支配したのはクボタで、サントリーはペナルティを多発。SHの流キャプテンは試合後、「前半はコントロールできたが、後半はいくつかのミスが重なってトライをとられた。ひとつのミスが起きたときに寸断できなかった」と振り返り、反省した。
クボタは後半早々、ゴール前のラインアウトからモールで前進し、持ち出したFL末永がトライ。コンバージョン成功で11点差となる。
46分(後半6分)にCTBバーガー・オーデンダールがゴールラインを越えるも、その前にノックオンがあったことがTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認され、ノートライとなったクボタだが、相手にPGを決められ14点差で迎えた67分、敵陣深くでボールを奪い返してFBゲラード・ファンデンヒーファーがトライ。9点差としてラスト10分間の戦いに突入した。
クボタは75分、ラインアウトからドライビングモールでゴールに迫ったが、TMOでもトライは認められず。それでも敵陣深くで攻め続け、79分、SO川向瑛が軽快なステップで切り込み、ゴールライン上にグラウンディングしたことが確認され、コンバージョン成功で2点差となった。
リスタートの時間は残っていて、80分経過を知らせるホーンが鳴ったあと、クボタは22フェイズ重ねてペナルティを得、敵陣に入ったが、懸命のディフェンスを続けたサントリーはブレイクダウンでボールを奪い返し、最後はFB松島幸太朗が外に蹴り出して、厳しい戦いを制した。
惜敗だったクボタの立川理道キャプテンは、「結果はすごく残念だが、チームのやってきたプロセスは間違っていない。防御で1対1で差し込まれたので、そこを直そう、と。後半はしっかりゲームマネジメントできた」と奮闘を振り返った。
サントリーは12月8日におこなわれる準決勝で、ヤマハ発動機と対戦する。
流キャプテンは、「いい勉強になった。次のヤマハ戦に向けて準備する」とコメントした。