関東大学ラグビー対抗戦伝統の早慶戦(慶早戦)が11月23日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれ、95回目の対戦は、21−14で早稲田大学が制した。8年ぶりの対抗戦優勝を目指す早稲田は5勝1敗となり、帝京大学、明治大学に並んだ。敗れた慶應義塾大学は4勝2敗となった。
「ディフェンスで粘り強くやっていこうと言っていた。がまん比べでわずかに勝った。選手の思いがグラウンドのなかで出たと思う」(早稲田大学・相良南海夫監督)
慶應は序盤、ラインアウトの呼吸が合わずリズムに乗れなかった。前半だけで4本失敗。果敢に前進を試みるが早稲田のディフェンスに阻まれ、ブレイクダウンでもプレッシャーを受けた。
シーソーゲームの均衡を破ったのは早稲田SO岸岡智樹のドロップゴールだった。25分、自陣から狙い、ゴールポストに向かって約55メートル飛んだボールはクロスバーを越えた。観客1万9197人の秩父宮がどよめいた。赤黒のジャージーはさらに30分、ラインアウトからモールで押し込み、ゴール左隅へのトライが認められた。前半終了前にはPGで3点を追加し、11−0で折り返した。
後半、風上に立った慶應は45分(後半5分)、FL山本凱の突破ゲインから活気づき、NO8山中侃らの力走が続いて、CTB栗原由太が切り込んで敵陣深くに入り、テンポのいい連続攻撃をPR細田隼都がフィニッシュした。キャプテンのSO古田京がコンバージョンを決めて4点差とする。
しかし早稲田は53分、ディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返すと、カウンターでFB河瀬諒介、WTB長田智希が好走、サポートについていたSH齋藤直人がゴール右に飛び込んだ。68分にはCTB中野将伍が防御網を切り裂く鮮やかな走りでゴールラインを割り、21−7となった。
それでも粘る慶應は74分、ラインアウトからモールで押し込みトライ。SO古田が左脚で加点し、7点差に詰めた。
熱闘は最後まで続き、慶應は試合終了間際、ゴール前でPKを得てクイックタップから攻めたが、早稲田が耐え、伝統校同士の好ゲームはノーサイドとなった。
最終節、早稲田は12月2日に秩父宮ラグビー場で“早明戦”をおこない、慶應は12月1日に熊谷ラグビー場で青山学院大学と対戦する。