東京外国語大は後半ラスト、意地でトライを奪い返した(撮影:見明亨徳)
東京外国語大FB山内、前半最後に勝ち越しPGを決めるも「儚い」(撮影:見明亨徳)
毎年1月に開催される「全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会」。第69回大会となる2019年1月の‟瑞穂(パロマ瑞穂ラグビー場)”を目指し、熱い戦いが繰り広げられている。
11月18日、関東1区のプレーオフ準決勝がおこなわれ、東京海洋大が東京外国語大との国立大対決を33-25で制し、12月2日の決勝へ進んだ。対戦相手は3年連続で東京学芸大となる。
準決勝、海洋大がラックサイドをフォワードがしつこく突く戦いで主導権を握った。前半8分、外大のラインアウトを奪うとフォワードが攻め立てる。外大が反則を犯すとすかさずタップからスタートし、LO川村大和がトライラインを越えた。SO田村祐太朗がコンバージョンを決め7-0。
10分すぎから外大が海洋大陣でラインアウトを得るも、ノットリリースなどで機を逸した。33分、海洋陣22メートルの左ラインアウトからゴール前へ迫ると、今度は海洋大が反則。同じようにタップで攻撃した外大がトライを左隅へ奪う。難しいコンバージョンはFBに入った山内遼が成功で同点へ。9月のリーグ戦で4点差負け(海洋大 28-24 外大)のリベンジを果たしたい外大が生き返った。40分、海洋陣で反則をもらうと山内はためらわずにPGを選択し、難なく決めて外大が7-10とリードして折り返した。
「リーグ戦のときにうちの方がフォワードで勝っていた」という海洋大の鶴留洋一監督。さらに「前半、外大が海洋センターにクラッシュしてきて差し込まれた。センターはおとりにして裏へのキックなどを使おう」(田村主将)と海洋大は戦い方をアップした。
後半2分、最初のアタックで右隅にトライを奪い12-10と逆転した。5分後、外大ゴール前でフォワードがラックサイドを突いて連続で加点。
外大は18分、パスインターセプトからトライ。すると海洋大も23分、27分と外大ボールがルーズになったところを奪い2トライ。お互いにアンラッキーな失点があり、33-15と試合の大勢は決まった。あきらめない外大が2トライを奪い返したが、33-25でノーサイドに。
決勝の相手は3年連続で東京学芸大。2016年は24-34、昨年は14-74と海洋大は散っている。鶴留監督は「リーグ戦は負けましたが(12-40)、後半途中まで2点差で競っていました。学芸はフィジカルがあるが、2週間、準備する」。田村主将は「2年間の先輩たちの分まで思いをぶつけていきたい。1月までこのメンバーで試合をしたい」と意気込みを語った。卒業後は食品関係の企業へ歩む。
敗れた外大だが、部史上初めてプレーオフ準決勝へ進んだ。1回戦では東京都市大を48-27でくだした。浦和高ラグビー部出身のスキッパー、LO木和田光太郎は「悔しい。しかし4年間、ここでラグビーができて良かった。(大学所在地の)府中市には東芝(ブレイブルーパス)など強豪チームがいます。関係もできてきて、チームが強くなるきっかけになれば」。来年1月、専攻のチェコ語を磨くためプラハにある国立カレル大へ留学するという。
試合中、最終ラインで戦い続けた山内は3年生。「(今の気持ちは)儚い。来年は学芸を倒す」。
関東1区プレーオフ決勝は12月2日、駒沢公園総合運動場補助グラウンドで午後2時キックオフだ。
(文:見明亨徳)