帝京のSH小畑健太郎(写真中央)は落ち着いたボールさばきでFWとBKをつないだ
(撮影:松本かおり)
夏の練習試合で早稲田大に敗れ苦汁をなめさせられていた大学ラグビー王者の帝京大が、秋の公式戦でリベンジした。今季の関東大学対抗戦Aで4戦全勝同士だった両校は11月4日に東京・秩父宮ラグビー場で対戦し、帝京大が45−28で制した。
立ち上がりは早稲田が良かったが、帝京がしのぐ。そして4連続トライで試合の主導権を握った。
帝京は前半6分、WTB宮上廉が先制した。敵陣22メートルライン内でフェイズを重ね、左へボールを動かし、CTB尾?泰雅がディフェンスを引きつけてオフロードで宮上につなぎ、トライが生まれた。
帝京はさらに13分、ラインアウトからFWを使ってゴールに迫り、PR淺岡俊亮がインゴールに突っ込んだ。20分と31分にはスクラムで押し込み、両方ともNO8ブロディ・マクカランがトライゲッターとなった。
28−0でハーフタイムとなる。
帝京のアグレッシブなディフェンスに手を焼いていた早稲田だが、後半に巻き返した。まずは45分(後半5分)、連続攻撃からCTB長田智希が右サイドを抜けてゴールに持ち込み、この試合チーム初得点を挙げた。5分後に帝京にトライを奪われたが、54分、早稲田は敵陣22メートルライン内のラインアウトからの攻撃でCTB中野将伍が抜け、フィニッシュ。場内の早稲田ファンが沸いた。
しかし、波に乗りたい早稲田だったが、59分、落球から帝京SO北村将大の独走を許し、再び点差は広がった。帝京は64分にPGで加点し、逃げ切りを図った。
それでも食らいつく早稲田は66分、WTB古賀由教の中央突破からチャンスとなり、たたみかけてNO8丸尾崇真がトライを挙げた。そして79分には、SO岸岡智樹が切り込み、オフロードパスをもらったFB河瀬諒介がゲイン、ゴール前でWTB古賀につなぎ、後半40分間のスコアは28−17と上回り意地を見せた。
対抗戦8連覇を目指す帝京大は次、11月18日に秩父宮で明治大と対戦する。今夏の練習試合では明治にも敗れており、大学選手権10連覇へ向けても弾みをつけたい大事な一戦となる。
早稲田大は23日に、明治を倒した慶應義塾大と対戦する。