子どもたちに大人気だったアーロン・スミス(左)。
さりげない動きだが、ボール扱いが絶品。
世界一。それは、みんなの憧れだ。
見たい。会いたい。触れ合えたら最高。そんな機会が10月20日の午後にあった。
10月27日におこなわれるオーストラリア代表とのブレディスローカップ(神奈川・日産スタジアム)と、11月3日の日本代表戦(東京・味の素スタジアム)を戦うために来日したばかりのオールブラックスの選手たちが、横浜・日吉の慶大ラグビー部のクラウンドに登場した。
オールブラックスをサポートするAIG ジャパン・ホールディングス株式会社(以下、AIG ジャパン)が協賛するイベントが催されていた。神奈川県と神奈川県ラグビー協会が共催する「AIG オールブラックス ラグビースクール」だ。
中高生対象のスキルチャレンジ。タグラグビー教室。初心者ラグビー体験コーナー。正式なメニュー以外にも、子どもたちは世界一の選手たちと触れ合った。空を見れば青い。横には漆黒のアスリート。最高の午後だった。
NO8キアラン・リード、SHアーロン・スミス、LOスコット・バレットが子どもたちと戯れていた。さすが超一流の選手たちだ。さりげないボールキャッチ。キック。アメフトのように、片手で、上から投げてもさまになる。
こういうイベントは、特別なことを教わることがなくても、子どもたちはそこにいるだけで何かを得る。
決して威張ることのない振る舞い。楕円球をやわらかく扱う。彼らがいじると、力まかせでないのに、ボールはパワーを得て、スーッと飛んでゆく。
選手たちを代表して、アーロン・スミスが始まったばかりの日本滞在について楽しみを話した。
「ワールドカップはまだ1年先だけど、気運が高まっているように感じます。日本は素晴らしい国。来年の大会前も少し早めに来たいぐらい」
安定したパフォーマンスができる理由を「常に良い試合をできるようにイメージしています。このツアーでもオーストラリアに勝って、いい1年にしたい」と話した。
秋の陽の光を浴びながら「季候もいい。良い試合ができそう」と微笑んだ。
「ジャパンもとてもいいチームと思っています。ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチとは長く一緒に(ハイランダーズで)戦った。フミ(田中史朗)もいい仲間だった。南アフリカに勝ったり、成果を上げているチーム。注目しています」
この穏やかな顔が、ハカになると目を吊り上げて、キックオフになると猛獣になる。
子どもたちは、オンとオフのその違いを見て、またラグビーの本質を知ることになる。