パフォーマンスでチームを牽引した男子主将の副島亀里ララボウラティアナラ。(撮影/松本かおり)
決勝トライを決めたサクラセブンズの堤ほの花。(撮影/松本かおり)
男女揃っての優勝は今シリーズ2大会連続。(撮影/松本かおり)
2大会続けて揃って笑った。
9月29日から始まっていたアジア・セブンズシリーズの韓国大会(仁川)で、男女セブンズ日本代表がそれぞれ優勝した。
9月14日、15日の香港大会に続いてのV。2018年シーズンの最終戦(第3戦)は10月13日、14日にスリランカで開催される。女子は総合成績で2位までに入れば、来春に開催されるコアチーム昇格大会の出場権を得る。
先に頂点に立ったのは女子代表、サクラセブンズだ。決勝でカザフスタンに17-12で勝った。
2日目のこの日、プールマッチ最終戦のスリランカ戦に41-0と勝って攻撃力を示し、準決勝の中国戦には10-5で勝った。苦しみながらも集中力を高め、倒れてもすぐに起き上がり続ける運動量で勝ち上がった。
頂上決戦では成長を示した。
本領を発揮したのは0-12とリードを許した後だった。慌てることなく、自分たちのスタイルで追った。
中村知春主将は「自分たちのミス以外ではトライを取られていなかった。攻めればトライを取れる感覚があったので落ち着いてやろうと話しました」と言った。
前半終了間際にスクラムからのアタックで前進してゴールラインに迫る。相手の反則(シンビン)を誘った後、ボールを動かしてトライを奪った。
大きかったのは7-12で迎えた後半開始のプレーだった。
大黒田裕芽が蹴り上げたキックを立山由香里がキャッチ。ワイドにボールを散らし、田中笑伊がインゴールに入って10-12と迫る。その後も攻め続け、後半5分過ぎには黒木理帆の好走から最後は堤ほの花が逆転のトライを奪った(ゴールも決まり17-12)。
稲田仁ヘッドコーチは「メンタル面が強くなった。キックオフも含めたセットプレーの安定が、慌てないことにもつながっている」と評価した。
中国に26-14と勝って2日目をスタートさせた男子は、準決勝で韓国に33-24。圧倒する試合をなかなか見せられなかったが、香港と戦ったラストゲームで攻撃力を発揮した。
28-19のスコアで制したファイナルは、後半途中に28-7と引き離す内容だった。
口火を切ったのは韓国シリーズのチームMVPに選ばれた本村直樹だ。スクラムからのアタックで内に切れ込み、インゴールに入った。
その後7-7に追いつかれるも、試合の流れを引き寄せたのは主将の副島亀里ララボウ ラティアナラ。「いいものを持っている選手ばかり。僕の仕事は、みんなをリラックスさせて力を出せるようにすること」と言っていたリーダーは、勝ち越しトライを奪い、後半開始直後にPKからのアタックを仕上げた(ゴールも決まり21-7)。
チームに勢いを与えるプレーを続け、勝負を決めた。
笑顔で表彰式に臨んだキャプテンは、「(アジア競技大会で負けた)香港には絶対勝つつもりで戦いました。全員のその気持ちが、チームが大事にしている開始4分のパフォーマンスにつながったと思う」と話した。
夜は男女優勝を祝っての食事会。ギャムのニックネームで愛される男は、生まれたばかりの第4子の祝福も仲間から受け、いつまでも笑顔だった。