高校3年生の女子セブンズ日本代表の永田花菜。写真は韓国戦。
(撮影/松本かおり)
パワフルに走る男子セブンズ日本代表ジョセ・セル。写真はフィリピン戦。
(撮影/松本かおり)
ワールドカップ・セブンズとアジア競技大会。大きな大会をふたつ終え、モチベーション的には難しいシリーズだ。
アジア・セブンズシリーズの今季の第2戦、韓国大会(仁川・南洞アジアードラグビー競技場)が9月29日から始まった。
9月14日、15日におこなわれた香港大会では男女日本代表とも優勝している。韓国での初日も、男女日本代表は2戦全勝の成績だった。
ただ、試合内容は満足できるものではなかった。
女子代表は初戦で韓国代表に48-0と完勝するも、香港には24-12と苦しむ。前半は12-12だった。
韓国戦は、永田花菜(福岡高校3年)や伊藤優希(日体大4年/太陽生命ウィメンズセブンズシリーズで活躍して招集)ら若手を先発させた。これまでプレー時間の少なかった選手の経験値を高め、選手層を厚くするためだ。
稲田仁ヘッドコーチはそれと同時に、「これまで高めてきたパーツ、パーツをどうつなげていくか。安定してきたセットプレーからのアタックを伸ばしていこうとしています」と話した。
8トライを奪った韓国戦は、その意図が結果につながった。
しかし香港戦は立ち上がりが悪く、後半になってやっと引き離す展開だった。
中村知春主将は初日を振り返り、「アタックはそこそこやれましたが、ディフェンスで受けた。それが2試合目の試合内容にそのまま出たと思います。(世界の)トップ4のクォリティーを目指していますが、気づかないうちにアジアのレベルに下げてしまっていたかもしれない」。
ゲームキャプテンの大黒田裕芽は、「1対1でしっかりと、はやく仕留めてボールを取り返さないとこうなる。もっと個々が責任を果たさないと」と反省した。
男子は2試合目のフィリピン戦に43-0と完勝して初日を締めた。
しかしそれも、決して満足できないマレーシア戦があったから立て直せた。
初戦の男子代表は、36-5と勝利を手にしたものの、各局面ではまったく圧倒できていなかった。
特にディフェンス時の圧力が弱かった。ボールを継続され、攻撃の時間を多くできない。キックオフ後のスキを突かれ、いっきにトライラインまで走り切られるシーンもあった。
岩渕健輔ヘッドコーチは「準備が甘い」と、個々のメンタル、自己管理について苦言を呈した。今大会で現場を任される鈴木貴士コーチも「序盤の悪さは、まさにそれが原因」と話し、「フィットネス。気持ち。走り。セブンズに必要なものがすべて、(自分たちが求めるレベルに対して)まだ足りていない」と現状を語った。
主将を務める副島亀里ララボウラティアナラは、「最初の4分間。そこに集中しようといつも言っているのに、しっかり戦えず、いつものように初戦のパフォーマンスが悪かった。特にディフェンスが激しくなかった」と反省した。
「だから2試合目は、アップのところから全員が意識して気持ちを上げました。やれるのだから、同じことをくり返してはいけない。明日は最初からやる」
女子は、カザフスタンが中国を破って調子がいい。男子では、香港と韓国が競ったが香港が勝った。
今季第1戦(香港)に続いて男女揃って笑うには、2日目初戦からの全開が条件。女子代表はプール戦第3戦のスリランカ戦、男子もプール3戦目の中国戦で勢いをつけ、のぼり調子で頂上決戦に向かいたい。