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明大・祝原涼介は、定位置争いと複数リーダー制から何を感じたか。

2018.09.29

明大フロントロー右PRの祝原涼介。写真は8月14日の帝京大との練習試合(撮影:福島宏治)

 昨季19シーズンぶりに大学選手権決勝へ進んだ明大の祝原涼介は、1996年度以来の大学日本一に向けチーム力の高まりを感じている。右PRとして組むスクラムにも、わずかずつながら手ごたえをつかんでいるようだ。
 8月14日、長野・菅平高原サニアパーク。昨季の大学選手権決勝を戦った帝京大に明大が21−19で勝った。持ち場のスクラムでは組み合ってからの第2波、第3波で押し込む場面を作った。まだ公式戦ではないだけに大喜びこそしないが、よかった部分を挙げることならできた。
「最初、うまく組めなかったのですけど、修正できたのはよかった。低さ、まとまりもあった。僕らのなかでは優位という感じはなかった。がまんして、低くキープ。がまんして、勝った時は、押せました」
 桐蔭学園高出身。身長184センチ、体重113キロと恵まれた体格を誇り、20歳以下日本代表としても活躍した。ラストイヤーの今季は、同じポジションに1学年上の吉岡大貴が残ったことで先発定着までに時間がかかった。もっとも「僕は吉岡さんが残ったことはいい意味で捉えていて」と祝原。その心をこう説明する。
「吉岡さんがいてくれたから(激しい)ポジション争いのもとハードワークできて、成長できたと思っています。明大のフロントローは仲がいいので、練習でやりあってもその後はいいコミュニケーションが取れている。今年から寮の部屋もポジションごとに分かれるようになって、普段も一緒に遊んだりもします。(部屋割りは)今年の寮長が中心に決めました」
 チームは現在、福田健太主将の下に7名のリーダーを敷く。田中澄憲新監督が発案したこのシステムは、選手の主体性を引き出すのに最適な仕組みだった様子。リーダーの1人でもある祝原は「皆からいろんな意見が出てくる」と喜んでいた。
「(話し合いの結果、プレー中の)サインを増やしたこともありましたし、7月にはチームソーシャルとしてリーダーズグループ主催の大運動会もやりました。リーダー以外の4年生からもアイデアが出るようになって、いい組織になっています」
 加盟する関東大学対抗戦Aでは目下、1勝0敗。30日には東京・江戸川陸上競技場で日体大を迎え撃つ。熾烈なセレクションに挑み続けるリーダーの祝原も、メンバーの一員として開幕2連勝を目指したいだろう。
(文:向 風見也)
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