近大ラグビー部は、最上級生の結束を目指す。昨季の関西大学Aリーグで8チーム中7位に終わったが、今季は「関西優勝に向け、4年生が一致団結している」とHOの竹内嘉章主将。夏にはFW限定のキャンプもおこない下地を固めた。9月30日に京都・宝が池公園球技場でおこなわれる初戦に向け、英気を養う。
8月16日、長野・菅平高原。全体合宿を前に13日から実施のFW合宿を終えた。最終日のスクラムセッションでは、主力組と控え組が実戦さながらのバトルを繰り広げた。竹内は満足げな笑みを浮かべ、それまでの歩みを総括した。
「FWがキーになっていかないといけない。スクラムを8人で組む。ラインアウトモールの方向性を見つけて押す。モールディフェンスでも刺して行く(鋭く押し返す)。短い時間でも、そこにフォーカスしてやっていこうと思っていました。グレードに関係なく一人ひとりの向上心が高く、夜のミーティングでもいい課題が出た。一回、一回の練習で成長していけました」
身長171センチ、体重100キロと小柄ながら、2016年の20歳以下日本代表に選ばれている竹内。東福岡高3年時には全国優勝を成し遂げている。以前の成功体験やタイトルから遠ざかってきた大学生活を踏まえ、最上級生の価値の重さを認識したようだ。
すべての最上級生がファーストジャージィを本気で狙い、もしベンチ入りを逃したら応援席で必死に盛り上げるのが理想だ。例えば、レギュラー入りが遠ざかった選手が腐りだす状況は「望ましくないです」と竹内は言う。
「僕が1〜3年生の時、そういう感じが少しはありましたが、今年はそういうのはなしにして秋までバチバチやり合って、(レギュラーと控えが)お互いに認め合えるくらいになろうと話しています。やはり学生スポーツ。下級生に引っ張ってもらうのもありがたいですが、4年生が引っ張っていけるのが大事だと感じます。まず、4年生が本気でやり合わないと」
オープニングゲームでは昨季3位の立命館大とぶつかる。最上級生の「本気」を見せつけたい。
(文:向 風見也)