ラグビーリパブリック

強力スクラムの中心軸。日大のファイター・HO藤村琉士。

2018.09.22
琉士は「りゅじ」と読む。1998年10月3日生まれ。(撮影/多羅正崇)
 日本大2年のHO藤村琉士は、スクラムに懸けていた。
「『今日はスクラムがメイン』『そこで勝たないと絶対に勝てない』と言っていました」
 
 9月16日に開幕した関東大学リーグ戦1部。
 昨季6位の日大は、龍ケ崎市陸上競技場たつのこフィールド(茨城)で、昨季3位の流通経済大学と対戦し、ペナルティゴールの差により26−29で惜敗した。
 
 しかしスクラムではパワーを見せつけた。FW第1列にPR伊藤大介、HO藤村、PR白川直人を並べた日大FWは、幾度もコラプシングを誘発し、スクラムターンオーバーを足掛かりとして先制トライも決めた。
「去年はちょっと不甲斐なかったんですけど、今年は経験を積んで、スクラムはけっこうな自信があります」
 
 山科ラグビースクール(京都)で小学6年から楕円球に触れた。京都・勧修中ではラグビー部に所属。京都成章では3年間花園を経験した19歳だ。
「(京都)成章ではFW2、3列で、高3からフッカーをやらせてもらっていました。大学に入ってフランカー、ナンバーエイトをやって、後半からフッカーに入ったり。経験を積んで、今年からフッカー一本です」
 
 173センチ102キロ。日大入学当初の体重は86、7キロだったというから、約15キロの増量だ。
 それでも運動量は豊富だ。流経大戦では後半の厳しい時間帯にも関わらず、闘犬のように貪欲に走り回り、積極的に守備ラインに立った。
「頭の中ではけっこう『僕が全部タックルいったる』という気持ちで走り回っています。高校からそうです」
 
 昨季は7−50で負けた流経大に、3点差(26−29)の大接戦だった。
 手応えは掴んだが、同時に課題も残った。
 
「課題はディフェンスですね。相手を乗らせてしまいました。そこを修正すれば、今後はもっと上に食い込んでいけると思います」
 日大は9月23日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場で東海大と対戦する。
「東海さん、大東さんに勝たないと、大学選手権は厳しいと思います。選手権に出れるよう、そこに照準を合わせて勝ちたいです」
 上位入りへ負けられない戦いが続く。磨き上げたスクラム、溢れる敢闘精神の見せどころがやってきた。
(文/多羅正崇)
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