豊田自動織機シャトルズが、今季トップリーグ開幕節でNECグリーンロケッツに競り勝った。9月1日、秩父宮ラグビー場でレッドカンファレンスの初戦に臨み、2点ビハインドで迎えた試合終了1分前、新加入した元オーストラリア代表のSOクリスチャン・リアリーファノがドロップゴールを決め、9−8で逆転勝ちした。
豊田自動織機はこの日ノートライだったが、鍛えてきたフィジカルでNECにプレッシャーをかけてロースコアのゲームに持ち込んだ。終盤は1人を欠いて苦しい状況だったが、相手のノックオンでめぐってきたチャンスに、FWやパワフルなBKヴァカジョセフ ウィルソンらがガツガツ当たってゴールポストに近づき、後半39分、SOリアリーファノが約40メートルのドロップゴールを決めて勝利をつかんだ。
豊田自動織機の共同主将に就任してこの日ゲームキャプテンを務めたスコット・フグリストーラーは、「試合前に皆に話したのは、フィジカリティについて。今日は、40分だけ身体を当てても勝てはしない。80分、いいフィジカリティを出さなければ勝てないよと話した。NECはそこに強みがあるから、そこが今日のカギだと思っていた。我々は前シーズンまで、フィジカルの強い相手に対してうまく戦えなかった。今年はそれを改善しつつあると感じた」と勝因を語り、「11年ラグビーをやってきて、ドロップゴールで試合が決まったのは初めて」と笑った。
レオン・ホールデン ヘッドコーチは、「(勝点)4ポイント取れたことが嬉しい。選手たちはそれぞれ個性を発揮してくれたし、そこに結果もついてきたのだからよかった。ただ、79分までハラハラするような試合はもうしたくない。両チームとも、イエローカードが大きく影響した試合だったと思う。今度はそうならないようにしたい」と規律の課題も口にした。
敗れたNECの亀井亮依キャプテン(共同主将)は、「率直な思いとして、悔しい。1点差だが、負けは負け。我々にとってはとても大切な試合だった。多くのチャンスを作ったが、取り切る部分でミスが出たり、反則があったり。細かいコミュニケーションがまだまだ足りない、できていない」と反省。
ピーター・ラッセル ヘッドコーチは、「織機さんは、主将のスコットを中心にブレイクダウンで強いプレッシャーをかけてきた。ただ、我々も、前に出られれば良いアタックができるということは示せた。短いシーズンなので、しっかりとレビューをし、次に生かしたい」とコメントした。