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御所実業高出身の韋駄天。朝倉健裕、大東大の新トライゲッターに。

2018.08.12

6月の関東大学春季大会・東海大戦でも快足を披露した朝倉健裕(撮影:松本かおり)

 昨季、加盟する関東大学リーグ戦1部で22シーズンぶりの優勝を果たした大東文化大に、強力な新人が加わっている。朝倉健裕。奈良・御所実業高出身のWTBで、2017年春にフランス遠征をした18歳以下日本代表の一員でもある。
「相手の守りがアウト(外側)に流れていたらインに、インに寄っていたらアウトに(走る)。自分では足が速いと思っているので、最後まで取り切るということを意識してやっていきたいです」
 身長175センチ、体重72キロと線は細いが、50メートル走を6秒フラットで走る。4月からの関東大学春季大会Aグループでも早速レギュラー出場を重ね、6トライをマークした。時には抜け出した味方を首尾よくサポートしたり、時にはタッチライン際でじっとチャンスを待ったりと、仕留め役としての勘の良さをにじませる。
 就任6年目の青柳勝彦監督は言った。
「さすが、ゴセ」
 元監督で才能発掘に余念がない鏡保幸特別顧問は、かねてから「ゴセ」こと御所実高の選手をチェック。サイズやスキルのみに頼らぬクレバーなプレーヤーが多いからだそうで、今度の新人で該当するのがこの韋駄天だった。青柳監督の解説が続く。
「他にもうちに何人かゴセの選手がいますけど、(プレー選択などの)判断がいいんですよね。それがセンスって言われちゃあそれまでなんですけど、他の皆にも見習って欲しい」
 朝倉は御所実高2年時から、大東大のラブコールを受けていた。「自分のことを見てもらっているな」と意気に感じ、入学を決めた。高校時代から1学年先輩のSH、南昂伸は、頼れる後輩の加入を嬉しい誤算と捉えていた。きっと他の強豪大からも声がかかっていて、そう簡単に仲間になることはないと思っていたからだ。だから朝倉が大学でもチームメイトになると知った時は、喜びもひとしおだった。
「高校の頃から信頼しています。ボールを持った時にチャレンジをしてくれる、何かを起こしてくれるという感じがあって。結構、動いてくれていて、こっちも(パスコースに呼び込むための)声をかけやすい。逆に外から(スペースなどを伝える)声も出してくれるので、SHとしてもいいテンポでさばきやすい。タックルも行くので、味方としてはありがたいですね」
 チームは今季、堅守と留学生の突破力を長所にリーグ戦2連覇と1994年度以来4度目の大学日本一を目指す。朝倉は「大学生と高校生とではフィジカルの強さが違う」としながら、「1年生から出させてもらっているので、チームの優勝に貢献したいです」。大暴れを誓う。
(文:向 風見也)
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