マン・オブ・ザ・マッチに選ばれる大活躍だったリッチー・モウンガ(Photo: Getty Images)
またしても優勝に届かなかったライオンズ。写真はルアン・コンブリンク(Photo: Getty Images)
2018年のスーパーラグビー王者を決めるプレーオフ決勝が8月4日、クライストチャーチ(ニュージーランド)のAMIスタジアムでおこなわれ、地元ファンの前で戦ったクルセイダーズが南アフリカのライオンズを37−18で下し、連覇を達成した。史上初めて、2年連続で同じチームによるファイナルとなり、3年連続の決勝進出で悲願の初制覇を目指したライオンズだったが、栄冠に輝いたのは今年もクルセイダーズで、他を大きく引き離す最多9回目の優勝となった。
レギュラーシーズンを1位通過したクルセイダーズが圧倒的優勢と見られていた戦いで、チャレンジャーのライオンズは序盤から激しく牙をむいた。敵陣でプレーし続け、WTBルアン・コンブリンクのブレイクスルーなどでゴールに迫る。
しかし、クルセイダーズの守りは堅かった。
ライオンズが得意とするラインアウトからのモール攻撃に対しても、対策通りにドライビングを阻止し、トライを許さなかった。
それでも、敵陣で王者にプレッシャーをかけ続けたライオンズが前半12分にSOエルトン・ヤンキースのPG成功で先制する。
だが、クルセイダーズは3分後、SOリッチー・モウンガがショットを決めて同点。19分にはラインアウトからの攻撃で、NO8キアラン・リードからクイックパスをもらったFLヘイデン・ベッドウェル=カーティスが切り込んでチャンスとなり、すばやいリサイクル後、右外でボールをもらったWTBセタ・タマニヴァルがコーナーにフィニッシュし、リードを奪った。
33分にPGで加点したクルセイダーズはさらに1分後、相手が蹴ったハイボールの争奪に競り勝ったSOモウンガが大きくゲインし、サポートもついてたたみかけ、FBデイヴィッド・ハヴィリがトライを決めた。モウンガはゴールキックも安定していて、点差を広げる。
ライオンズがハーフタイム前にPGで3点を奪い返したが、クルセイダーズが20−6とリードして前半を終えた。
後半早々にクルセイダーズがPGで17点差とし、これ以上離されたくないライオンズは52分(後半12分)、パワフルなFLカイル・ブリンクがディフェンスを破ってゴールに持ち込み、この試合のチーム初トライを挙げた。
しかしクルセイダーズは62分、ドロップアウト後のボール確保から13フェイズを重ねて敵陣深くに入り、FLマット・トッド、HOコーディー・テイラーが連続オフロードでつないでSHミッチェル・ドラモンドがフィニッシュし、流れを変えた。
67分にクルセイダーズにイエローカードが出て、数的有利となったライオンズは直後、HOマルコム・マークスがゴールラインを割ってファイブポインターとなったが、クルセイダーズは3分後、敵陣でのクイックスローインからWTBジョージ・ブリッジの中央突破でチャンスとなり、つないで、連続攻撃をLOスコット・バレットがフィニッシュして優勝を引き寄せた。
1996年からのスーパーラグビー史で、ニュージーランドのチームが優勝したのは16回目。ほかは、オーストラリア勢4回、南アフリカはブルズの3回のみ。アルゼンチンのジャガーズと日本のサンウルブズは2016年からの参戦で、まだトロフィーを手にしたことはない。
南半球ラグビーの注目は今後、ニュージーランド、南アフリカ、オーストラリア、アルゼンチンの4か国代表がぶつかるザ・ラグビーチャンピオンシップに移り、近日中に各スコッドが発表され、8月18日から10月6日まで熱戦が繰り広げられる。
勝利の美酒を浴びるクルセイダーズの選手、スタッフたち(Photo: Getty Images)