ラグビーリパブリック

日本代表&サンウルブズの田中史朗が明言。「本当にレベルが上がっている」

2018.07.23
ハイランダーズ、サンウルブズの選手としてスーパーラグビー65試合でプレーしてきた田中史朗
(Photo: Getty Images)
 2013年に日本人初のスーパーラグビープレーヤーとなった田中史朗は、当時加入したニュージーランドのハイランダーズに4シーズン在籍したのち、昨季から日本のサンウルブズにいる。日本代表の兄弟チームにあたるクラブにあって、33歳のSHは若手日本人選手の成長に喜ぶ。
「大学のレベルも上がっているうえで、(輩出された選手が)スーパーラグビーでレベルの高い外国人と話したりして、(試合中などに)どうしたらいいかを理解している。全体として、レベルが上がっている。(サンウルブズが)あることで、(サンウルブズの選手が)日本代表になった時に自信を持ってプレーができると思います」
 こう語ったのは7月15日。都内ホテルにおける取材機会でのことだ。3勝に終わった2018年シーズンを振り返るなか、この国からスーパーラグビーへチームを出すメリットを強調した。
 2008年に初めて日本代表に入った。2011年のワールドカップ・ニュージーランド大会を未勝利で終えると、日本ラグビー界への提言を辞さなくなった。危機感からだ。2015年の同イングランド大会までの4年間は、実績十分のエディー・ジョーンズ前ヘッドコーチ(HC)へも臆せず意見を述べた。
 もっとも元ハイランダーズ首脳のジェイミー・ジョセフが日本代表のHCとなってからは、選手とスタッフをつなぐパイプ役になっているようだ。
 この日は改めて、「(現在の)代表にいる選手は、ラグビー理解度がすごく高い」と強調する。毎週更新されるゲームプランをスムーズに理解する様子など、結果の影に隠れる無形の力を評価しているのだろう。
 苦笑しながら、こう続ける。
「昔は正直、ラグビーを理解していない人も代表に入っているという思いが僕のなかにはあったのですが、いまはそういうことがないです。話すことのレベルが高い。わからないことも発言(質問)します。エディーの時は、メディアの方のなかで僕が文句を言うというふうになっていたと思うのですけど、いまは僕が言う必要もないくらいになっている。心の底からレベルが上がっているなと感じます」
 サンウルブズ加入時には「ハイランダーズで積んできた経験を日本の選手に落とし込めれば、その落とした経験によって皆がレベルアップできる」と話していた田中。2019年のワールドカップ日本大会に向け、現体制の機能を高次元で保ちたい。
(文:向 風見也)
Exit mobile version