トップリーグチームのサントリーサンゴリアスとクボタスピアーズの2018夏季練習試合が7月14日、東京・サントリー府中スポーツセンターでおこなわれ、サントリーが26-0でクボタを制した。
北海道合宿前の最終戦となった両チーム。グラウンド上は40度近い温度の中、互いにボールが滑るなど攻めきれない状況が続いた。
前半38分、サントリーがクボタ陣内左ラインアウトからモールで押し込み、HO北出卓也が先制トライを奪う(ゴールはSO田村煕が成功)。
前半終了前も右ラインアウトを得ると、モールからラックへ。ボールはWTB中?隆彰に渡る。クボタディフェンスをかわしトライラインを越えた。前半は12-0で終える。
後半、サントリー押し気味もインゴールは遠かったが、26分、31分と連続トライし、26-0で辛勝だった。
この試合、サントリーは新人LO加藤広人(早大卒)が左LOで先発した。
ラインアウトのジャンパーやペネトレーターとしてボールをもらい突破を図っていた。
しかし試合後、本人は「まだまだ。フィットネスからメンタルまで全部が足りてません。通用する部分も実感がない」と謙虚だ。「今はAチームに入るのは厳しい。日々、挑戦してレベルを高めていきたい」と高みを目指す。
一方、クボタの新人LO孫昇己(ソン・スンギ)は日大から加わった。この日は後半30分からの出場。「クボタに入り初めて頭を使うラグビーを学んでいます」という。大阪朝鮮高時代から注目されたLOだが、「ラインアウトは高校、大学とほとんど自分たちで決めてきた。クボタはチームの決め事があり、それを理解し適応することに頭を使っている」状態だ。
ラインアウトは、これまでボールを受けるジャンパーを担当してきた。人を持ちあげるリフターの役は「初めての経験で難しい」と話す。
クボタには同じポジションでスーパーラグビーの南アフリカ・シャークス主将、ルアン・ボタも同大会終了後、加入する。
新人LOふたりはチーム内競争に生き残るべく、北海道で熱い夏を過ごす覚悟だ。
(文:見明亨徳)
クボタの孫昇己(右から2人目)。チームが求めるスキルを習得したい(撮影:見明亨徳)