国歌を歌うドイツ代表。2016年11月に南米2番手のウルグアイ代表に挑む前の写真。
このときは24−21で歴史的な勝利をあげていた(Photo: Getty Images)
ラグビーワールドカップ2019日本大会への道となるヨーロッパ地区予選プレーオフが6月16日、ドイツのハイデルベルクでおこなわれ、世界ランキング29位のドイツ代表が同23位のポルトガル代表に16−13で競り勝ち、初出場に望みをつないだ。ドイツは、6月30日と7月14日にホーム&アウェイの2試合で競う、サモア代表とのヨーロッパ/オセアニア地区プレーオフに進む。
ポルトガルは、2007年大会以来となる2回目の大舞台を夢見、予選ラウンド4のヨーロッパ・トロフィーを制するなどして上部リーグ(ヨーロッパ・チャンピオンシップ)チームへの挑戦権を得たが、惜敗で脱落が決定した。
ドイツは一度、絶望感を味わっていた。予選ラウンド5で2勝6敗、最下位に終わっていたからだ。しかし、同予選で1位だったルーマニアと2位のスペイン、さらに4位のベルギーが、代表資格がない選手を試合に出場させていたことがのちに発覚。この3チームは勝点を大幅に減点され、3位だったロシアに本大会への切符が与えられ、ドイツにはプレーオフ出場へのチャンスがめぐってきたのだった。
ドイツは前半を3−6で折り返し、47分(後半7分)にはポルトガルにトライを奪われ、10点ビハインドとなった。
しかし50分、ハーフウェイ付近でペナルティを得ると、SHがクイックタップから仕掛け、サポートしたNO8がゴール左隅にフィニッシュ。コンバージョン成功で3点差に詰めた。さらに64分、PG成功で13−13の同点とする。
68分、ゴールラインを背にしたドイツだったが、ブレイクダウンでターンオーバーし、ピンチを脱出。
そして72分、再びPGチャンスを得ると、南アフリカ出身で2011年からドイツ代表でプレーしている30歳のCTBレイノー・パーキンソンがショットを決め、決勝点。
ラウンド5の最終戦では敗れたスペインの選手がレフリーに詰め寄り、その後の資格違反発覚もあって、後味の悪さを残したヨーロッパ予選だったが、プレーオフを戦ったドイツとポルトガルの選手たちはファイナルホイッスルが鳴ったあと互いに健闘を称えあい、清々しいノーサイドとなった。