ワールドシリーズデビューとなったロンドン大会で最多タイの8トライを挙げたアイルランドのジョーダン・コンロイ(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)
7人制ラグビーのトップクラスチームが集う「ワールドラグビー セブンズシリーズ」とはほぼ無縁で、常時参戦できる“コアチーム”への昇格をかけた今年4月の予選会では準決勝で日本に敗れていたアイルランドが、先週末に開催されたロンドンセブンズで歴史的快挙を遂げた。
同シリーズの今季第9ラウンドにあたるロンドン大会に招待チームとして参加していたアイルランドは、初日のプール戦で世界ランク13位のスペインを下し、ほか2試合も競ってベスト8入りを果たすと、カップ準々決勝ではラスベガス大会(第5ラウンド)優勝チームのアメリカを撃破、準決勝ではフィジーに敗れたが、3位決定戦でホームチームのイングランドを21-19で下し、銅メダルを獲得した。
3位決定戦、5点を追うアイルランドは試合終了間際にスピードスターのジョーダン・コンロイが自陣から2人のディフェンダーを振り切ってハットトリック(今大会8トライ)を決め、マーク・ローチがタッチライン近くからのコンバージョンキックをねじ込み、ジャイアントキリングとなった。
コアステータスを持っていないチームがワールドセブンズシリーズのカップ準々決勝に進んだのは、2016年のラスベガス大会で日本が8強入りして以来で、ベスト4入り&銅メダル獲得は初の快挙となった。
アイルランドは過去に何大会かワールドセブンズシリーズに参戦したことはあったが、今回は14年ぶりの出場だった。同国ラグビー協会が男子のセブンズプログラムを組んで本格的に強化してきたのは2015年からで、当初、タレント発掘事業で400人以上をテストすることから始まった。先週、ロンドンで偉業を遂げた7人制アイルランド代表の平均年齢は22.8歳だった。
アイルランドは、来月20日からアメリカのサンフランシスコで開催されるワールドカップ・セブンズにも、予選大会を突破して出場を決めている。
なお、ロンドンセブンズで優勝したのはフィジー。15人制でも活躍するセミ・ランドランドラやジョシュア・トゥイソヴァもスコッドに加わってチーム力は高まり、カップ決勝では南アフリカに21-17で競り勝った。
ワールドラグビーセブンズシリーズ2017-2018は、今週末のパリ大会が最終ラウンド。2季ぶり4回目の総合チャンピオンを狙うフィジーは、今季5冠獲得で首位に立っており、2位の南アフリカに7ポイント差をつけている。
表彰式後、セブンズのスターたちと一緒に写真を撮るアイルランドの選手たち(緑パンツ)
(Photo: Getty Images)
ロンドンで優勝したフィジー。決勝のMVPはセミ・ランドランドラ(中央の顎鬚豊かな選手)
(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)