試合前日練習時のCTBマイケル・リトル。(撮影/長岡洋幸)
普段は髪を束ねているマイケル・リトルだが…暑そう。(撮影/長岡洋幸)
ピッチの芝は丈の低い葉が密生したタイプ。カーペットグラスという品種。
(撮影/長岡洋幸)
旺角大球場は、6400人収容。4000枚がすでに売れた。(写真/BBM)
スタジアムの一角で芝を育てている。フワフワした白いものは、
大球場の外に生えているコットンフラワーの種子。
おそらく明日の中継でも画面に映るはず。(写真/BBM)
スーパーラグビー初の香港開催となるサンウルブズ×ストーマーズが、5月19日におこなわれる。試合を翌日に控えた同18日、会場となる旺角大球場で両チームが前日練習をおこなった。
11時からグラウンドに出たのはストーマーズ。練習を終えたロビー・フレック監督は「昨日はあまりに暑くて、スパイクの上に氷を乗せて練習したよ」とジョークを口にした。
「(過去に戦った)シンガポールでの試合もタフなものでした。天気は我々にとってマイナス要因」とハンディを認めつつも、「我々はここで伝統的な強み(トラディショナル・ストレングス)で戦い抜いてみせる」。南アフリカの名門としてのプライドをのぞかせた。
先週のレッズ戦で今季初勝利を挙げた対戦相手への警戒も深めていた。
「最近のサンウルブズの試合内容は素晴らしい。選手の質もチームのレベルも上がり、決して油断はできない」
リザーブは5人がFW。「明日はベンチの選手にも相当頑張ってもらう」と、総力戦の構えだ。
サンウルブズの練習は12時半から始まった。
ジェイミー・ジョセフHCは「ストーマーズは蹴ってくるでしょうが、我々はボールを動かしていく」として、15番に起用した松島幸太朗の名前を挙げ、「彼が相手のプレッシャーを取り除いてくれる」と期待した。
ブルーズ戦以来の先発となる松島も「ストーマーズは基本的にテリトリーのチーム。FWもBKもパワープレー。キック処理でミスすると、こちらがアタックできない状況に陥ってしまう」と、役割の重さを自覚する。
旺角大球場は日本のような短い芝ではなく、丈の低い葉が密生したピッチ。カーペットグラスという品種で、小林深緑郎さんによると「暑さに耐える品種で、台湾より南はこの種類」だという。
福岡は「今日走った感じではそんなに滑る印象はなかった」としながらも、「汗でボールが滑るので、外でのチャンスは少ないかも。その分キックチェイスでプレッシャーをかけられたら」と、こちらもキックの対応に重きを置く。
「明日のバックスリーは日本語で大丈夫なので、細かく指示を出せると思います」
今回はリザーブに入った流共同主将は「暑さに対しては、こちらのほうが有利。明日は15人でなく23人の勝負。僕はリザーブなので、勝ってゲームを終わらせたい」と話した。
明日の香港の予想最高気温は32度。湿度は77%。最も暑さの厳しい13時キックオフだ。過去2年、シンガポールでの試合はナイターで、競技場には屋根もついていた。
日なたで練習を見ているだけで、汗がしたたり落ちる状況。おそらく、昨年のブルーズ戦と同じか、それを上回る過酷な80分になりそうだ。
(文/森本優子)