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ルーマニアが選手の資格違反でW杯出場取り消し! 日本と同組はロシアに変更

2018.05.16

W杯過去8大会すべてに出場してきたルーマニアだが、日本大会は不参加に(Photo: Getty Images)

 ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビーは5月15日、ラグビーワールドカップ2019ヨーロッパ予選で出場権を獲得していたルーマニアが、代表資格がない選手を予選に出場させていたとして、ワールドカップ2019の出場を取り消し、本大会で日本、アイルランド、スコットランドと一緒のプールAに入るヨーロッパ地区代表1には、ロシアが繰り上がると発表した。
 ヨーロッパ最終予選(ラウンド5)の結果は、1位:ルーマニア(6勝2敗=勝点29)、2位:スペイン(6勝2敗=勝点26)、3位:ロシア(4勝4敗=勝点20)、4位:ベルギー(2勝6敗=勝点11)、5位:ドイツ(2勝6敗=勝点8)だったが、スペインとベルギーもルーマニアと同様の違反があったため、ロシアが2011年大会以来2回目のワールドカップ出場となる。
 また、2位のチームはヨーロッパ地区予選ラウンド4を勝ち抜いてきたポルトガルとのプレーオフに進むことになっていて、その試合にはドイツが出場することとなった。6月9日に予定されているドイツ対ポルトガルの勝者は、ヨーロッパ/オセアニア地区プレーオフに進み、プールA入りをかけてサモアと対戦する(ホーム&アウェイ)。
 ワールドラグビーによれば、ワールドカップ2019の予選を兼ねた2017年と2018年のラグビーヨーロッパチャンピオンシップにおいて、代表選手資格に関するクレームがあったため独立したジュディシャル(司法)委員会と争議委員会が調査したところ、ルーマニア、スペイン、ベルギーが、代表資格を持っていない選手を出場させていたことがわかった。そのため、この3チームの勝点から、不適格な選手が参加した試合ごとに5ポイントずつ差し引くことを決定。
 ルーマニアは、2017年と2018年のヨーロッパチャンピオンシップ8試合(予選に関連する6試合)で代表資格を持っていない選手が出場していたことが判明。スペインは9試合(予選に関連する8試合)、ベルギーは7試合(予選に関連する6試合)で不適格な選手が出場していた。
 そのため、スペインは40ポイント減、ルーマニアとベルギーは30ポイントが差し引かれ、ヨーロッパ予選の1位はロシア、2位はドイツとなった。
 違反があった3か国の協会に対しては罰金が科された。
 また、今年3月18日におこなわれた予選最終戦、ベルギー対スペイン戦のレフリーを利害関係があるルーマニア出身のレフリーが担当し、敗れたスペイン側が「公平性がなかった」としてワールドラグビーに再試合を要求していた問題についても独立委員会は検討し、ワールドラグビー、ラグビーヨーロッパ、スペイン協会、ベルギー協会からの提出を含め、すべての証拠を考慮した結果、再試合をすべきではないと判断した。
 同試合のレフリーはラグビーヨーロッパが任命していたが、この問題を受け、ワールドラグビーは今後、ワールドカップ予選のすべての試合において、マッチオフィシャルのアポイントメントを監視していく。
 独立争議委員会は、ラグビーヨーロッパと参加協会は間違いを犯したものの、悪意はなかったと判断。同委員会はまた、選手の代表資格に関するワールドラグビーの規定第8条の重要性と尊厳、さらに不正の繰り返しを防ぐ別の措置を再強調することを勧告した。
 なお、すべての当事者は、完全な書面による決定を受けてから14日以内に異議申し立ての権利を有する。

プレーオフへも進めなくなり、W杯2019への道が断たれたスペイン(Photo: Getty Images)

初出場だった2011年のW杯で健闘したロシア。8年ぶりに大舞台へ(Photo: Getty Images)

プレーオフ出場が決まったドイツ。欧州予選ではルーマニアを破っていた(Photo: Getty Images)
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