カナダ大会でチャレンジトロフィーを獲得したサクラセブンズ
(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)
ベスト8入りは逃したものの、サクラセブンズ(女子セブンズ日本代表)が「HSBC ワールドラグビー女子セブンズシリーズ 2017-2018」の第4ラウンド・ラングフォード(カナダ)大会で確かな成長を見せた。
初日のプール戦で今季総合ランキング3位だったロシアを倒したのに続き、現地時間13日におこなわれた順位決定戦では、4月の北九州大会でベスト4だったスペインにも勝ってチャレンジトロフィートーナメントを制し、今季最高の大会9位で終えた。
チャレンジトロフィー準決勝は招待チームのブラジルと対戦し、開始早々に失点したが、前半2分、田中笑伊が粘ってオフロードで小出深冬につなぎ、5点を入れた。4分にはディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返すと、大竹風美子がディフェンダーを振り切って連続トライ。その後、逆転されたものの、前半終了前、日本は正確なパス回しでスペースをつくり、立山由香里が自陣から50メートル以上走り切って17−14で折り返した。
後半の序盤、日本に反則が続いて相手に攻め込まれ、再び追う立場となったが、粘り強い守りで耐えた日本は4分過ぎ、20歳の立山が自陣10メートルラインから突破して走り切り、24−21とゲームをひっくり返した。エナジーがある日本は6分にバティヴァカロロ ライチェル海遥もトライを挙げ、31−21で制した。
そしてチャレンジトロフィー決勝では、スペインに26−21で勝利。
この試合でも相手に先制されたが、前半4分、中村知春からオフロードパスをもらった大黒田裕芽が切り込み、平野優芽、長田いろはとつないで同点とする。
ハーフタイム前にスペインにトライを奪われ、7−14で折り返した日本だったが、後半1分、キャプテンの中村がペナルティを得てからの速攻でゴール中央に持ち込み、再び追いついた。中村はその1分後のピンチで、タックルしたあとすぐに絡んで相手の反則を引き出すファインプレーもあり、流れを変えた。
すると3分、小出が自陣から突破して約60メートル走り、ゴール前でつかまったものの、サポートがついて、中村がトライを挙げ勝ち越す。
5分にスペインのスピードランナーを止められず再び同点となったが、フルタイム直前、元陸上競技選手の大竹が自陣22メートルライン内から快足を飛ばしてゴール前5メートルまで持ち込み、サポートについた中村がさらに切り込んでオフロードで小笹知美につなぎ、決勝トライ。サクラセブンズが熱闘を制した。
優勝したのはニュージーランドで、北九州大会に続いて今季2冠目。カップ決勝では、総合ランキング首位のオーストラリアに46−0で完勝し、獲得ポイント数を4点差に詰めた。
今季のワールドラグビー女子セブンズシリーズは次のパリ大会(6月8〜10日)が最終ラウンド。コアチーム残留を目指す日本(総合11位=コアチーム中最下位)は、カナダ大会でベスト8入りしたフィジー(総合10位)との差が13ポイント差に広がっており、パリ大会は最低でもベスト4以上に入らなければ降格となる(パリで優勝しても、フィジーなどライバルの結果次第では逆転できない)。
スペイン戦で決勝トライを決めた小笹知美(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)
カナダ大会で優勝したニュージーランド(Photo: Mike Lee – KLC fotos for World Rugby)