「同期の桜」大西将太郎&栗原徹が解説!
〜「ラグビー フランスリーグ TOP14」リーグ戦ベストトライ〜
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毎節、激闘の連続となった今シーズンのラグビー フランスリーグ TOP14も、全26節にわたる長いリーグ戦が終了。フランス国内に限らず世界中から集結したスタープレーヤーたちが躍動した結果、シーズン王者を決めるプレーオフにモンペリエ(1位)、ラシン92(2位)、トゥールーズ(3位)、RCトゥーロン(4位)、リヨン(5位)、カストル・オランピック(6位)の6チームが進出した。
プレーオフ準々決勝のRCトゥーロンvsリヨンの勝者が準決勝でモンペリエと、そして同じく準々決勝のトゥールーズvsカストル・オランピックの勝者が準決勝でラシン92と対戦し、それぞれの山の勝者が決勝で激突する。実力が伯仲するチーム同士が一発勝負のトーナメントを戦うだけに、どれも手に汗握る試合となることは間違いなさそうだ。
さて、そんな6強が勝ち抜いてきたリーグ戦の中で特に光った「ベストトライ」を、同世代の元日本代表コンビ、大西将太郎氏、栗原徹氏の二人にそれぞれ選んでもらった。大西氏は圧倒的な強さで首位通過したモンペリエから、栗原さんは世界に冠たるビッグクラブのRCトゥーロンから選出。果たしてどのトライなのか、またそれはどのようにして生まれたのか、じっくり解説していただこう。
大西将太郎が選ぶベストトライ「互いに何かを感じ合わなければ生まれなかった」
大西さんが選んだのは第23節「モンペリエvsラ・ロシェル」後半20分のトライだ。ラ・ロシェルがこぼしたボールをモンペリエSH(スクラムハーフ)ルアン・ピナールがさばき、FL(フランカー)フュルジャンス・ウエドゥラオゴが縦に突く。形成されたラックからSHピナールは相手ディフェンスの裏へとショートパントを放ち、そのキックに合わせて走り込んだFB(フルバック)ジェシー・モグがキャッチ。そのままインゴールへ飛び込むという目の醒めるようなトライだった。
「ピナールのキックの正確性と、ターンオーバーからの切り返し、トランジション(攻守の切り替え)が見事でした。最初、モグは守備位置にいたので、かなり深くにいたのですが、ラ・ロシェルがカウンターアタックを仕掛けた直後だったので誰もいなかったんですね。そのスペースをピナールと感じ合えたというわけです。こうして何かを感じ合わなければ生まれないトライだったと思います。
ピナールのキッキングスキル、モグのFBとしての経験値はもちろん重要ですが、それをお互いが持っていても幾度も試合を積み重ねることでしか、こういったプレーは完成しません。ですからこのトライは、モンペリエがチームとして成熟していると感じさせるものでした。チームの成熟度が表れたシーンですね。
モンペリエのヴァーン・コッターHC(ヘッドコーチ)はそれまでフォワード一辺倒だったスコットランド代表(昨年まで指揮)を、バックスに有力な選手を入れてボールをよく動かすチームに変えた実績があります。フォワードの強みをより一層活かせるチームにしたわけです。今シーズン就任したモンペリエも非常にフォワード、バックスのバランスが取れたチームになったと思います」
個々のスキルと視野、そしてコッターHCがもたらしたチームとしての高い成熟度が、このトライを生み出したと言える。
栗原徹が選ぶベストトライ「開幕節からRCトゥーロンの仕上がりの高さを感じた」
一方、栗原さんが選んだのはシーズン開幕戦の第1節「RCトゥーロンvsポー」前半16分に生まれたトライだ。
ポーのキックオフをキャッチしたCTB(センター)マア・ノヌーがSO(スタンドオフ)アントニー・ベルーにパスすると、ポーのディフェンスの穴を突いたベルーが一気にゲイン。フォローしていたFB(フルバック)ウーゴ・ボヌヴァルにパスが渡りさらに前進すると、ライン際を追走していたWTB(ウイング)ヴァンサン・クレールにパス。内側に切り込みながらゲインしたクレールから、その外側にポジショニングしていたボヌヴァルへとラストパス。15→11→15と鮮やかにパスがつながり、そのままボヌヴァルが走り切ってトライを決めた。
「ポーのキックオフからRCトゥーロンが一気に切り返したトライです。ロングに蹴られたキックオフに対して組織的に準備していたプレーだと思います。ただ、準備していてもなかなかここまで上手くはいきません。
相手のディフェンスラインを抜けた後、サポートも含めて、ただまっすぐ走るのではなく、少し斜めに走って時間を作っているんです。最初にボールを取ったノヌーがまっすぐ突っ込んでくる、というのがRCトゥーロンの見慣れたパターンなのですが、これはちょっと変化を加えています。工夫と精度のトライですね。TOP14は相手を吹き飛ばすようなトライが多いので、このトライは目新しく感じました。
このようにパスがつながった後もう一度サポートするプレー、つまり2回ボールに触るプレーをセカンドタッチと言いますが、世界のスタンダードになってきています。ただ、実際にそれができている選手はまだ少なく、パスをしたらそのまま見ている選手が多いのが現状です。ですからなおさら、高い意識付けがなされているプレーだと感じました。チームとしてプレーが成熟するシーズン終盤のトライであれば納得なのですが、これは開幕節ですからね。RCトゥーロンの仕上がりの高さを感じました」
得意の個人技ではなく組織的なプレーが開幕節から花開いた、RCトゥーロンの今シーズン初トライだった。
ベストトライはモンペリエとRCトゥーロンから選ばれたが、この2チームに限らず、プレーオフでもこうした美技が光る素晴らしいトライが生み出されていくに違いない。
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同期の親友同士が語るプレーオフ展望
同い年の大西さんと栗原さんは、中学生時に練習試合で初対戦。大学時代にも全国大学選手権で相見え、互いに社会人となった2000年5月20日のフィジー戦で揃って日本代表デビューを飾った仲。大西さんは栗原さんを「天性の才能を持っていながら努力もする、本当のライバルであり親友」と言い切り、栗原さんは大西さんを「試合中、短い時間でものすごい情報量を的確に伝えるグッドトーカー」と評するなど、今なお互いにリスペクトしている間柄だ。
そんな二人に、最後はプレーオフの展望を聞いた。大西さんは本命ラシン92で大穴トゥールーズ、栗原さんは本命モンペリエ、大穴RCトゥーロンと予想している。
大西
「首位で通過したモンペリエはトーナメントでなかなか勝てないチームです。昨シーズンも準々決勝でホームにも関わらずラシン92に負けています。HCは変わりましたが一発勝負に不安材料がありますので、本命はラシン92にしました。大穴のトゥールーズは昔から何度も優勝しているチームですし、今季もチーム一丸となって非常におもしろいラグビーをしています。ただ、どのチームがいい準備をしてくるかに尽きるので、混戦になることは間違いないでしょう」
栗原
「ヴァーン・コッターHCがモンペリエにどんな魔法をかけるのか開幕前から注目してきました。この人が行ったチームは必ず強くなる、というコーチが世界には僅かながらいるのですが、ヴァーン・コッターはまさにその一人です。そして、そこにはピナールというチームに欠かせない存在がいますので、ここまできたらそのまま行ってほしいと思っています。ただ、噛み合った時に一番力があるのはRCトゥーロンなのでは、という予想も捨てきれないので大穴に選びました」
このように見事に予想が分かれたわけだが、名前の挙がらなかったリヨンやカストル・オランピックにも十分可能性が残されている一発勝負のプレーオフトーナメント。5/18(金)、19(土)の準々決勝から、いよいよ熾烈な戦いの火蓋が切られる。
◆◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆
★「ラグビー フランスリーグ TOP14」 プレーオフは全5試合放送!5/18(金)スタート!
ラグビー世界最高峰のプロリーグ「TOP14」。リーグ戦上位6チームによるプレーオフトーナメントを制し、シーズン王者に輝くのはどのチームか!?
【準々決勝】
RCトゥーロンvsリヨン 5/18(金)深夜3:45〜生中継 [WOWOWプライム]
トゥールーズvsカストル・オランピック 5/19(土)夜11:00〜生中継 [WOWOWライブ]
【準決勝】
5/25(金)、26(土)
【決勝】
6/2(土)
■詳しくは、WOWOWラグビーオフィシャルサイトをチェック!
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