ラグビーリパブリック

府中のサッカー場がラグビー強化の拠点にモデルチェンジ。まずはセブンズ。

2018.05.13
サッカー場の名称も、すっかりラグビー仕様。うれしいね。

子どもたちの熱心な質問に丁寧に答えた選手たち。
 記念の会は雨模様。予定されていた天然芝体験会やタグラグビーは中止された。
 しかし新しく生まれた縁は、少なくとも2020年までは続く予定だ。
 5月13日、東京・府中市朝日町にある緑の広場で、『朝日サッカー場キャンプ地利用キックオフ記念イベント』が開かれた。
 ラグビーワールドカップ、東京オリンピック7人制ラグビーのキャンプ地誘致に取り組んできた府中市。その第一弾として、男子セブンズ日本代表が5月14日から3日間、同地でキャンプを実施する(セブンズ・デベロップメント・スコッド合宿)。それを記念して催されたイベントだった。
 施設名はサッカー場も、オリンピックまではラグビー専用となる予定の同施設。ラグビー用のゴールポストも立てられ、はり替えられた天然芝はフカフカだ。
 以前はサッカーグラウンドが2面あったが、いまはラグビーグラウンド1面。サイドラインの外に広く空いたスペースは、スクラム練習などに使うこともできる。
 記念セレモニーに参加した坂本典幸・日本ラグビー協会専務理事は、事前に施設を見学して回ったそうだ。
「素晴らしい芝の状態でした。周辺施設も十分。これだけのものを用意してもらったからには、結果で恩返しをしないといけませんね」
 グラウンドに隣接したクラブハウスにはトレーニングジムや広々としたロッカールームもある。男子セブンズ代表の強化拠点にするほか、女子セブンズ代表も使用予定だ。
 高野律雄・府中市長は、「ラグビーの力を、府中の力に! それをスローガンに誘致活動をしてきました。個々の力を大切にし、多様性を認め合うスポーツの力が街の力になることを願っています」と嬉しそうだった。
 場所は、2019年のワールドカップの開幕戦がおこなわれる味の素スタジアムから徒歩15分ほどで、西武玉川線の多磨駅から徒歩5分強。東京外語大学のキャンパスと調布飛行場に挟まれたところにある。
 実家から自転車で通えると笑う松田凛日(女子セブンズ日本代表候補)は、「地元に素晴らしい施設ができて嬉しいですね」と話し、オリンピックについても、「(地元でやると)お世話になった方たちにも見てもらえるので、ぜひ出たいですね」と意欲を見せた。
 タグラグビー交流会は雨で中止となったが、招かれていた府中市立白糸台小学校タグラグビークラブ『白小フェニックス』の子どもたちには、駆けつけた男子セブンズ代表の小澤大主将、坂井克行、林大成、女子セブンズ代表の山中美緒、松田凜日と触れ合う時間が用意された。
 子どもたちから選手たちに質問するコーナーでは、たくさんの手があがった。
「どんなチームにしたいですか?」との質問に、「メダルをとれるチームに」と答えた小澤主将は、「うまくなるためにしてきたことを教えてください」と問われ、「目標とする人の映像を見て、目指したい自分をイメージし、そうなるための練習を考える」。坂井はその質問に、「怪我をしないこと。そのためには継続して練習すること。それができるように、たくさん食べて、たくさん寝てください」と言った。
 4月から日本ラグビー協会と男子7人制日本代表チーム専任選手契約を締結し、住まいを愛知から東京に移した小澤主将は、府中の近くに居を構えている。
「ここは近いので、移動の負担も少なくなります。施設も素晴らしいし、オリンピックの舞台のすぐ近くでいつもやれるという、外国チームにはないものを自分たちのアドバンテージにして準備していきたいですね」
「結果を出さなければいけないというプレッシャーも感じるかもしれませんが、それも糧にしてやっていきたい」と前向きだった。
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