今季からレッズの指揮を執るブラッド・ソーン監督。(撮影/松本かおり)
先発15人の平均年齢は24歳ちょっと。ティーンエイジャーもいる。
5月12日にサンウルブズと戦うレッズが、秩父宮ラグビー場で試合前日練習をおこなった(11日午前)。
練習前に取材に応じたブラッド・ソーン監督は「タフな戦いになると思っている」と話した。
宗像サニックスでのプレー経験もあり、ハイランダーズ時代には、ジェイミー・ジョセフ監督に指導も受けた新指揮官は、NZ代表キャップ59を持ち、2011年のワールドカップでは優勝も経験している。
「サンウルブズは結果こそ出ていないが、ボールをよく動かす、いいラグビーをやっていると思います。日本人と外国人もいい感じでミックスしているように見える。(レッズの選手たちはサンウルブズが)ヨハネスブルグで、ライオンズに勝ちそうになった試合を見ています(38-40)。敵地であれだけの試合ができるチームを軽く見るつもりはありません」
ボールがよく動く、「いい試合。タフな戦いになるだろう」と言った。
4月28日のライオンズ戦で5試合ぶりの勝利を挙げたレッズ。バイウイーク(休養週)を挟んで迎えるサンウルブズ戦前日の雰囲気は明るかった。
突進力抜群のPRタニエラ・トゥポウはムチムチの体で軽快に動く。BKの突破役、CTBサム・ケレヴィは赤いハット、赤いスパイク姿で周囲を盛り上げていた。
FLジョージ・スミスは、相変わらす寡黙に、黙々と調整。前戦の先発から代わったのは3人だけということもあり、一体感が感じられた。
明日の試合で11番を背負うジョーダン・ペタイアは18歳。先発のうち8人が23歳以下のチームは、一度勢いをつかめば爆発力がある。
ケガから復帰して1番に入り、ゲームキャプテンを務めるジェームズ・スリッパーは、昨年までの陣容から大きく若返ったチームについて、こう話した。
「(若返った)今シーズンは、チームにとっていい1年になっていると思う。若い選手たちは、トップに食い込もうとする気持ちが強い。経験不足のところはあっても、失うものはないと、全力で戦っている。ベテランから見ても、とてもエンジョイしている雰囲気がわかる。僕らもいい影響を受けている」
豪州代表キャップ86を持つ強力スクラメイジャーでもあるスリッパー主将は、セットプレーで圧力をかけたいと展望を口にした。
「サンウルブズはバックローの選手はシャープだし、WTBは速い。FWもタフで、HOの堀江は大きな存在だと思う。でも、自分たちのラグビーにフォーカスして戦う。自由な展開を多くして、トライをたくさんとりたい」
ソーン監督も言った。
「リーチ(マイケル)は努力を重ねて、多くのことを成し遂げてきた人。田中は小さいけど、素晴らしいフットボーラー。でも、自分たちは自分たちのラグビーをやって勝つ」
今季ここまで4勝5敗。
指揮官は、若きチームが勝つことで成長のスピードを上げることを知っている。