冬の花園「第98回 全国高校ラグビー大会」の予選シードに影響する、平成30年度東京都高校春季大会の準々決勝4試合が5月6日におこなわれた。
早稲田実業と早大学院の“アカクロ対決”は、早実が前後半7トライを奪い、ディフェンスも機能し、43-0で圧勝した。準決勝の相手は、國學院久我山が45-12と明大中野を破り進出した。もう一つのブロックは目黒学院が東京に12-10で競り勝ち、本郷が大東大一を55-10で下した。準決勝は5月13日におこなわれる。
「早実ゼロ封で学院を抑える」
早稲田実業×早大学院。早実が白に赤のジャージー、学院はグレーに赤のジャージーで登場した。
前半開始30秒、いきなり早実が学院ゴール前へ迫ると左中間に先制トライを奪った。
早実は「FW戦で負けない」(大谷寛ヘッドコーチ)の意識で、コンタクトでも体をあてていった。7分にはNO8相良昌彦主将がゴール前のラックからインゴールへボールを運んだ。15分には学院ゴール前ラインアウトからボールを動かし、FL細川大斗がファイブポインターになった。
後半も学院アタックを防ぎつつ4トライを重ね、43-0で勝利。昨年10月、第1地区準々決勝で対戦した際の得点、早実15-5学院から差を広げた。
早実、大谷ヘッドコーチは「相良中心にまとまり体を当て続けてくれた。課題はディフェンスでペナルティが多かったこと」と振り返った。学院・渡邉千明監督は「うちの強み、ブレイクダウン周辺の攻防などこだわりを早実につぶされた」と完敗を認めた。
久我山がモールでインゴールへ運んだ(撮影:見明亨徳)
國學院久我山×明大中野。
久我山は前半1分に主将WTB槇瑛人が先制トライを奪うと、7分にも槇がスクラムから展開したボールを左中間インゴールへ運んだ。さらに前半終了前に明中陣のラインアウトからモールを押し込み、19-0で折り返した。
後半も15分までに3連続トライで38-0と試合を決めた。明中も紫紺ジャージーの意地を見せ、25分から2トライを奪い返したが、最後は久我山がしっかりトライを取り切り、45-12で終えた。
久我山の土屋謙太郎監督は「ボールを動かせば点を取れることは予定通り。後半2つトライを奪われた。ディフェンスを修正する」と話した。
目黒PR山口が逆転トライ(撮影:見明亨徳)
もう一つのブロック。目黒学院×東京は接戦となった。
前半11分すぎ、東京が自陣から左ライン際でボールをつなぎ目黒陣へ。しかし目黒がターンオーバー、このボールを東京インゴールへ持ち込み先制した。ゴールキックも決まり7-0。目黒、東京とも相手FWの突破を止め続ける。30分、東京はようやくトライを返し7-5で後半へ。
すると、スクラムからボールを展開した東京が右隅へ逆転トライを決めた(7-10)。目黒も諦めない。残り10分、敵陣左ラインアウトからFWがじりじり攻め込んだ。左中間ゴール前のラック、PR山口泰雅がインゴールへボールを押し込み再逆転、12-10とした。東京は5分後、PGを狙うも外れ、ノーサイドを迎えた。
本郷WTB藤井が3トライ目を奪う(撮影:見明亨徳)
本郷×大東大一。
本郷が前半2分にWTB村井勇太が最初のファイブポインターとなると、前半4連続トライ22-0とした。
大東は後半1分、WTB川端耕大がゴール右隅に飛び込み5点を返した。しかし、本郷はここから5トライ33点を追加。大東の反撃を1トライに抑え、55-10で大勝した。
本郷・島田耕成は準決勝、目黒戦について「しっかり敵をノミネートして前に出るディフェンスで戦う」。
6月8日から栃木県佐野市で開催される「平成30年度 第66回関東高校大会」、東京代表は6校だ。準決勝進出4校は確定した。残り2枠は準々決勝敗北の東京×早大学院、明大中野×大東大一が戦い勝者に与えられる。
(文:見明亨徳)