冬の花園「第98回全国高校大会」の予選シードに影響する平成30年度東京都高校春季大会の4回戦8試合が4月29、30日におこなわれた。
昨年度、第1地区決勝で目黒学院に敗れた早稲田実業は都豊多摩を71−7で下した。同じブロックの兄弟校・早大学院も保善を22−12で振り切り、準々決勝へ進んだ。5月6日にアカクロ兄弟校が4強をかけ戦うことになった。
「早大学院は最後にとどめで勝利、早実は圧勝」
明治学院東村山高グラウンドに両校が出場した。
早大学院、保善ともボールが手につかない展開。前半9分、最初に保善が自陣スクラムから右オープンサイドへ回すと、タッチライン際を走り先制トライを奪った。早大学院も保善陣で反則を得ると、PGで確実に3点を返した(3−5)。17分の早大学院、ラインアウトからモールで進み、ラック周辺をフォワード(FW)が攻めトライを取り切った(10-5)。さらに前半終了前に反則でPKを得ると、応援OBの「PG」の声を気にかけずタップから攻め、トライを奪い17−5で折り返した。
後半、保善は突破役に長身LOを投入し進むも、ゴールライン目前でのノックオンやパスミスを犯す。21分にようやくインゴールへ運び、ゴールキック成功で17−12と迫った。しかし、リスタートのボールを早大学院がつなぐと、ラックから試合を決めるトライ。22−12で振り切った。
早実は前半から都豊多摩を圧倒した。豊多摩の刺さるタックルもあったが次々とゲインラインを越えた。14−0の10分から、17分、19分とNO8相良昌彦主将(早大ラグビー部・相良南海夫新監督の息子)が3連続トライ(ハットトリック)を奪うなど、42−0とした。後半も加点し、71−7でベスト8へ。
早大学院と早実は昨年10月29日、第1地区準々決勝で対戦し、早実が15−5と辛勝している。早大学院・渡邉千明監督は「きょうはFWに自信があった。早実には去年、負けているので」とリベンジを誓う。一方、早実の大谷寛ヘッドコーチは「学院にはFW戦で一歩も引かないこと、その一点のみ」と話した。
5月6日の準々決勝は朝から東京朝鮮高グラウンドでおこなわれる。
第1試合は昨年度第1地区代表の目黒学院×東京高(冬の新人大会と昨年度第2地区の準優勝)。4回戦で目黒は東京朝鮮から9トライ奪い、57−5で圧勝。東京は73−5日体大荏原を一蹴した。
目黒学院×東京の勝者と準決勝であたる準々決勝の試合は、本郷(4回戦は明学東村山に92−0)と大東大一高(4回戦は成蹊高に56−5)の対戦だ。
もう一つの早実側ブロックの準々決勝は、冬の新人大会を制し、昨年度も第2地区優勝の國學院久我山(4回戦は日大二高に59−7)と明大中野(4回戦は対戦相手の都小平西が棄権)。
(文:見明亨徳)
早実NO8相良が前半でハットトリックトライを決めた(撮影:見明亨徳)