強度の高いプレッシャーを受け、描いたアタックを遂行できなかった。(撮影/松本かおり)
2日目は2試合とも先制した。
それも2試合目のカナダ戦では2トライを先取し、前半を14-12とリードして折り返した。
しかし結果は2敗。勝利は遠かった。
4月22日、大会2日目(最終日)がおこなわれたHSBC ワールドラグビー 女子セブンズシリーズ 北九州大会。初日に3戦全敗した日本代表(以下、サクラセブンズ)は、チャレンジトロフィートーナメント(9位以下トーナメント)が戦いの舞台となり、その初戦のアメリカ戦に14-34で敗れた。
また、次戦の11位決定戦、カナダとの対戦にも14-33と敗れ、勝利を挙げることなく大会の全日程を終えた。
5戦全敗だった。
キックオフ直後に必ず失点した前日から改善はあった。
稲田仁ヘッドコーチは言った。
「開始2分の改善を考えました。そこでなんとか継続して攻めたかったので」
フィジカルの強い選手を入れて、ボールをキープした。前日は選手間の間隔が広く、パスの乱れなどミスを呼んだので、狭いラインを作った。その成果が出た。
アメリカ戦の先制トライは、相手のキックオフがノット10?となった後のフリーキックから1分30秒近く攻め続けて平野優芽がアウトサイドを駆けたものだった。
カナダ戦ではキックオフ後のボール確保から、フィジカルの強い長田いろはが長い距離を走り切ったもの。その2分後に奪ったトライは、粘って守り、ターンオーバーから切り返したものだった。
しかし、自分たちで起こした波を長く続けられなかった。
中村知春主将は、「昨日ダメだった立ち上がりは改善できたが、どっちに流れがいくか分からない時間に粘れなかった。ミスをしてしまった」
一歩ずつしか前進できない…と前日と同じ言葉を口にして、なかなかブレイクスルーできないもどかしさを吐露した。
この2日間を戦って指揮官、選手たちが同じように感じたことがあった。
もっと成長のスピードを早めないといけない。トップチームも、それを追うグループも、来季のコアチーム昇格を決めている中国も、自分たち以上のスピードで進化していた。
稲田ヘッドコーチは言った。
「例えばブレイクダウン。練習でのプレッシャーより、実際の試合のプレッシャーの方が大きかった。それでは勝てない。やってきたことがどれだけ試合でのプレーに結びついているか検証し、メニューの見直しも含め、もっと日頃の練習の質から上げていかないと」
中村主将も唇を噛んだ。
「この2か月にやってきたことに満足していたことが恥ずかしいですね」
リオ五輪への道も経験している。その時の本大会と2年前と比べても、自分たちの成長のスピードは悪くないと感じるが、他と比べると遅い。
「もっとギアを上げないと。そのためにも、いつもの練習の質が大事。もっと強い強度で、試合と同じ緊張感の中でやらないといけない」
滅多にないホームでの試合経験は貴重だったと言った。強豪ばかりとの5戦の経験も。
ライバルたちとの距離感をあらためて知った。
この危機感をエナジーと転機にして、目標への距離を迷いなく縮めていかないといけない。