3戦全敗の中、何度も好走を見せて成長を感じさせた田中笑伊。(撮影/松本かおり)
いいところも少し見えた。
うまくいかないところがたくさんあった。
結果、3戦全敗。
女子セブンズ日本代表は1年ぶりのホームでの大会初日、笑うことはできなかった。
4月21日から始まったHSBC ワールドラグビー 女子セブンズシリーズ 北九州大会。サクラセブンズは、世界のトップ国、12チームが参加する国際大会での8強入りを誓って戦いに臨んだ。
しかし、ニュージーランド、フランス、アメリカと同じプールBでの3戦にそれぞれ5-38、5-33、17-45と3連敗し、2日目はチャレンジトロフィートーナメント(9位以下トーナメント)が戦いの舞台となった。
トップ8は遠かった。
3戦すべて、試合開始直後に先制点を許した。
キックオフを確保できずに攻められた。確保したのに、その後ミス。そこから、攻め切られるパターンもあった。
「キックオフに関しては、こぼれ球への対応などもしていました。でも、そこがうまくいったら、その次をミスしてしまう。本当に一歩ずつしか前進できない」
中村知春主将が自虐的に言った。
稲田仁ヘッドコーチも、キックオフやラインアウトのセットプレーが乱れ、準備してきたプレーが出せなかったと振り返った。
また、受ける圧力が思っていた以上だったことで、思うように攻められなかったと話した。
「想定していたことですが、例えばブレイクダウンなどで、実際は(思っていたことより)相手が一歩はやく、圧力を受けてしまった」
走り出したらスピードでは劣る。勝てるとしたら、相手が疲れたときの切り返し。
そんな前提があるから、攻守とも粘り、少しでも攻撃の時間を長くしたかった。しかし、そんな展開に持ち込めなかった。
サクラセブンズにとっては、アタックはハーフブレイクの連続が生命線だ。ときにうまくいっても、それを重ねられなかった。
まともにやれば相手の圧力を受けるから、SHが動いてからパスするケースも必要だったが、徹底できなかった。
ディフェンスではオフロードパスに何度もやられた。
特に内側のエリアではダブルタックルが約束も、効果的でなかった。倒すまでに時間がかかるからつながれた。
スイーパーの位置で何度も1対1のシーンと対峙した平野優芽は、後方から見た光景をこう話した。
「外に流すディフェンスでは止められないので、(自分以外の)6人でプレッシャーをかけ続けるはずでした。でも相手が強く、2人、3人で倒しにいったので、ブレイクダウン周辺に人が寄りすぎて抜かれていた」
2日目は、初日たくさん出た課題を修正して勝利を手にしたい。
チャレンジトロフィートーナメント初戦の相手は、初日の第3試合で敗れたアメリカ。パワーで序盤に勝負を決められるも、3トライを返し、特に2トライを奪った後半は通用する時間帯もあった。そのテンポを最初から出さないと勝てない。
思い切り仕掛け、スタジアムを沸かせる回数をもっと増やしたい。
必死に勝利を追う姿で、観る人を惹きつけるような戦いを。
勝利はその先にある。