明大の今季のスローガンは「Exceed」(上回る)。
松尾将太郎主将は「去年優勝しているので、勝つしかなかった」。(撮影/松本かおり)
勢いは続いている。
4月15日に秩父宮ラグビー場でおこなわれた東日本大学セブンズ。チャンピオンシップの決勝は明大と筑波大の対戦となり、紫紺のジャージーが頂点に立った(33-14)。昨年の大会に続いて2連覇だ。
大学選手権で準優勝と、9連覇の帝京大に迫った2017-2018年シーズン。田中澄憲監督体制となった今季は、さらなる上昇を狙っている。
優勝会見で田中監督は「(セブンズ用の)練習は昨日の40分だけでした」と話したが、「学生たちは夜に自主的にミーティングをしたようです」と嬉しそうだった。
わずかな準備でも、それなりにセブンズの形となっていた理由を、この日主将を務めた松尾将太郎が明かした。
「昨年の優勝を経験した者も何人かいました。ミーティングで、その人たちの知っているセブンズの大事なことを全員で共有できたのがよかった」
全員で戦う。それを実現して充実した昨季。高めてきたコミュニケーション能力は、この日も勝因のひとつになった。
日大、法大、早大を倒して進出した決勝戦。筑波大に先制を許すも、落ち着いて追いつき、じりじりと引き離した。
殊勲者は2年生の片倉康瑛だ。
14-7で迎えた前半終了間際のキックオフ。190センチの2年生LOは空中戦で相手を弾き飛ばして相手を飲み込むとともに、その後のトライを呼んだ(21-7)。片倉はその後のキックオフでも積極的に動き、チームに勢いを与えた。
後半1分過ぎにはトライを返されて21-14と迫られるも、3分過ぎに勝負を決めた。
辛抱よく攻め続け、最後にインゴールへ飛び込んだのはルーキーの雲山弘貴(報徳学園)。田中監督は「(28-21で勝った準決勝の早大戦も含め)若い選手たちが緊張感ある戦いを経験できたのがよかった」と教え子たちを愛でた。
個人のレベルアップにフォーカスしている春。
その成果も感じる一日だった。
コンソレーションでは日体大が優勝。