サンウルブズでWTBを務めるレメキ ロマノ ラヴァが、東京・秩父宮ラグビー場での第8節を振り返る。
攻める最中に落とした球を拾われ、即、失点。その流れでワラターズに29−50で屈したことを踏まえ、かつ、前向きに語る。
「ミスが多かったよね。いいアタックでゴール前まで行って、ノックオン、ターンオーバー、トライ! …と。相手にいい選手がいるとチャンスは少ないから、チャンスではトライを取らないと。トライを取りたい、取りたい、と焦って、いらないオフロードパスをしてしまう。スキル、能力は十分あるのに、考えすぎている。もっとスムーズにやれたらいいね」
国際リーグのスーパーラグビーでここまで開幕6連敗中も、自信を失っていない。14日には同じ場所で、今季1勝のブルーズとぶつかる。これまでのサンウルブズはけが人などの影響で出場メンバーを変更し続けてきたが、今度はBKラインのスターターが前節と同じ顔触れとなる。背番号11のレメキは、威勢の良い日本語で言い切る。
「いままでの(いい流れの時間帯の)ラグビーを80分間やっていたら、絶対に勝てる。分析したら、すごくチャンスがある。ブルーズのディフェンスは、サンウルブズのやりたいラグビーにフィットしている」
ブルーズ戦での注目点は、守備になろう。サンウルブズは直近の2戦で111失点。防御網の連携が乱れた結果、レメキらが守る大外のスペースが破られたのだ。
サンウルブズと連携を図る日本代表は昨秋、現在と似たディフェンスシステムを機能させてフランス代表と引き分けるなど成果を残している。
しかし、欧州勢と対峙したテストマッチ(国代表の真剣勝負)と南半球勢に挑むスーパーラグビーの試合にはギャップがあるとレメキは見る。スーパーラグビーには接点からボールがテンポよく出るという特徴があるため、サンウルブズはFWの位置取りが整うより前に相手の攻めを食らってしまうのだと言う。
今度のゲームに向け、チームは戦術遂行に必要なポイントを再確認した。
接点周辺に滞留しがちなFWの選手が、早めに互いの間隔を保った防御網を作る。そうすれば、大外にスペースができるリスクを減らせるとレメキは話す。
「前にやったテストマッチの時より、スーパーラグビーの方がテンポは速い。それで、FWの選手のスペーシング(立ち位置の間隔)が取れていない。ここでもうちょっと早めに幅を取れたら、いいディフェンスになるよ。今週は、ずっとそれをフォーカスしてやっている」
開幕節で左手甲の骨にひびを入れてしまったが、回復傾向にある。「痛いは、痛いけど、大丈夫。あとはボール(をもらう)だけ」。グラウンド内外で意思統一を図ってきた。あとは当日、暴れるのみだ。
(文:向 風見也)