決勝のトライへ走る副島亀里ララボウラティアナラ。(撮影/松本かおり)
取ればトライのラストパスを緑の1番が落とした。
後半4分、日本が7-0とリードしている場面だった。
アイルランドのクセ者、マーク・ロシュが防御裏に蹴ったボールはゴールポストに当たり、跳ね返った。チェイスしていたロシュはそのボールを、トライライン寸前で落とす。
スコアは7-7。インゴールに押さえていれば、緑の7番は殊勲者だった。
「Cathay Pacific/HSBC 香港セブンズ 2018」(HSBCワールドラグビーセブンズシリーズ 2017-2018 第7戦・香港大会)の中でおこなわれているコアチーム昇格決定大会の3日目(4月8日)。ノックアウトステージの準決勝で今大会充実のアイルランドと戦った男子セブンズ日本代表は12-7と勝利を手にして決勝進出を決めた。
前半は互いにスコアレス。前日から機能し始めたディフェンスで粘り強く守った日本は、アイルランドにテンポを作らせなかった。チョークタックルでターンオーバーしたり、ミスを誘ったり。多くのリスタートをマイボールで始めることができた。
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチも「コンパクトになって動き、フィジカルでも対抗できていた」と、そこを評価した。
試合が動いたのは後半だ。蹴り上げたキックオフボールを自ら確保した日本は、前日から言い続けてきたことを実践し、取り急がなかった。
ボールを左右に大きく動かし、フェーズを重ねている途中、機を見て仕掛けたのが橋野皓介だ。右にオーバーラップ状態ができたことに反応し、弧を描いて走った。最後はタックラーを引きずりながら右中間にボールを置く(開始40秒)。坂井克行のゴールも決まり、7-0とした。
リードを許し、アイルランドもギアを上げた。
後半2分20秒過ぎから始まった攻撃だった。自陣のスクラムでFKを得ると、ボールを大きく動かす。フェーズを重ねる。そして日本陣22メートルライン内まで攻め込んだ後だった。大きくあいた右サイドに振った。
ラストパスが通ればトライと思われたシーン。冒頭のようにジョン・オドンネルがノックオン。日本は救われた。
しかしその直後、日本は自陣ゴール前のスクラムで圧力を受け、SHロシュにインゴールにボールを置かれる。そのファイブポインターは自らゴールも決めてスコアは7-7に。試合は振り出しに戻った。
そして迎えた試合終了間際だった。アイルランドはスクラムから攻め、ブレイクダウン後にロシュが防御裏に絶妙のキックを蹴る。それがゴールポストに当たって跳ね返り…。緑の7番が殊勲者になり損ねたシーンだ。
日本は九死に一生を得た。
歓喜はその直後にやってきた。
日本は自陣ゴール前のスクラムから攻め、シオシファ・リサラが走る。相手ハイタックルを受けてPKを左に蹴り出し、ラインアウトから攻める選択をした。
そのボールを確保した日本はまず右に攻めた後、左に振り戻す。そこで走ったのが副島亀里ララボウラティアナラだ。ディフェンダーの間を走り、相手を引きずりながらトライラインに倒れ込んだ。テレビマッチオフィシャルでの確認を経て、決勝トライは認められた。
試合を重ねるごとにチームの結束を高めている日本。来季のワールドシリーズのすべてに参加できる権利を得られるのは優勝チームだけだ。
ドイツとの決戦は16時30分(日本時間17時30分)からおこなわれる。
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