第19回全国高校選抜ラグビー大会は4月7日、埼玉・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場で準決勝2試合がおこなわれ、3月の近畿大会を制した大阪桐蔭(大阪)と、関東王者の桐蔭学園(神奈川)が決勝進出を決めた。準決勝第1試合で天理(奈良)と対戦した大阪桐蔭は36−21で逆転勝ちし、5年ぶり2回目の春制覇に近づいた。前回大会のチャンピオンでもある桐蔭学園は流通経済大学付属柏(千葉)を41−7で下し、連覇に王手をかけた。
近畿勢同士のセミファイナルで先制したのは天理だった。前半4分、自陣深くでターンオーバーすると、WTB豊田祐樹がタックラーをかわしながら約90メートル走り切り、チームを活気づけた。
しかし大阪桐蔭は10分、チップキックからチャンスを広げて敵陣深くに入り、キャプテンのCTB松山千大が右隅にフィニッシュ。17分にはスクラムから展開し、WTB芦塚仁が右サイドを抜けて逆転した。23分にはパスを乱した天理にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、LO江金海が自陣から50メートル以上走り切って加点し、19−7とリードして前半を終えた。
12点を追う天理は後半11分、FB津野来真が鋭いフットワークで防御網を破り、5点差に詰める。22分には、ハーフウェイ中央をCTB前川風雅がブレイクスルーしてFB津野につなぎ、連続トライで同点。SO水野景介がコンバージョンキックを決めて逆転した。
だが大阪桐蔭は24分、スピーディーなアタックで敵陣22メートルライン内に入ると、WTB秋山哲大が力強い走りでトライを決め、再びゲームをひっくり返した。さらに大阪桐蔭は終盤、スクラムでターンオーバーして敵陣深くでの攻撃に移ると、FL奥井章仁がゴール前のピックアップからインゴールに突っ込んでファイブポインターとなり、29−21とした。そして、試合終了間際にはゴールに迫った天理が落球し、FB伴井亮太が約90メートル独走して大阪桐蔭の勝利を決定づけた。
関東勢の対決となった準決勝第2試合は、序盤、流経大柏が自陣22メートルライン内でパスを乱し、ボールを拾った桐蔭学園のHO紀伊遼平がパワフルに突進して先制した。
関東新人大会決勝のリベンジに燃える流経大柏は13分、WTB永山大地が22メートルライン外から鋭く切り込んでゴールに持ち込み、コンバージョン成功で逆転したが、桐蔭学園はその5分後、FB伊藤大祐がトライを決めて流れを引き戻す。ディフェンディングチャンピオンはさらに24分、カウンターラックのターンオーバーからたたみかけ、HO紀伊がフィニッシャーとなった。
19−7で迎えた後半、序盤に相手の攻撃を耐えた桐蔭学園は8分、敵陣深くでPKをもらうとタップから仕掛けてCTB江川剛人がトライ。14分には、FB伊藤大祐が抜けてゴール前でWTB佐々木隼につなぎ、点差を広げた。
その後2トライを追加した桐蔭学園は、後半は流経大柏を0点に抑え、ファイナル進出となった。
桐蔭学園×大阪桐蔭の決勝は4月8日に同会場で、11時キックオフ。
準決勝第2試合、桐蔭学園×流経大柏(撮影:櫻井ひとし)