優勝した東海大のキャプテンを務めた高橋香成。(撮影/松本かおり)
くり返しおこなってきた練習とセレクションマッチの末の歓喜だった。
4月1日に開催された『Y.C.&A.C. JAPAN SEVENS』。今回が59回目という伝統ある大会で東海大が頂点に立った。
慶大、北海道バーバリアンズ、神奈川タマリバを破って進出したファイナル。流経大に競り勝った。開始1分に先制を許すも14-12。接戦を制し、2年ぶり2度目の優勝を手にした。
前半3分にトライを奪い、同点に追いついた東海大は、好タックルで流経大の攻撃を止め、ボールを取り返した。後半3分にはスピードランナーの村井康太郎(新3年)がインゴールに入り14-7。その後、ムゼケニエジ・タナカ・ブランドン(新3年)にこの試合2つめのトライを許すも、ゴール差で逃げ切った。
3月上旬から準備を重ねて来た結果だった。
部内でセブンズ志望者を募り、全体練習後(3部練後の第4部練で)、そのメンバーだけでセブンズに特化した練習に取り組んだ。西村 一帆コーチのもと、セレクションマッチも実施。今大会の舞台に立ったのは50人超の中から選ばれた13人だ。
今大会でキャプテンを務めた高橋香成(たかはし・かなる)は試合後の記念撮影時、メンバーたちの真ん中で笑顔だった。
「突出した能力の高いメンバーはいないので、チーム全員で勝とう、やることを統一しようと言ってプレーしました。要所要所にスピードある人はいたので、それを効果的に使うことを考えた。パワーのある人たちを内側に置いて、ディフェンスや接点で対抗しました」
みんなの前で話すことが苦手だった高橋は、今回キャプテンを任されて変わった。いよいよ最上級生。「ポジション争いに加わりたい」と誓った。
木村季由監督も胴上げの快感を味わい、嬉しそうだった。元気に復帰したLO麻生健太郎(新4年)をはじめ、それぞれが個性を発揮する積極性を出してくれたからだ。
「昨年はこの大会を含めたセブンズ大会をはじめ、ひとつのタイトルもない年でした。どんな大会でも、勝つとエネルギーになる。準備期間に選手たちが主体性を持ってやってくれたこともよかった」
この優勝で、7月におこなわれるジャパンセブンズへの出場権も得た。
同大会の舞台に立つための部内競争は、さらに激しくなる。
サクラの前で歓喜の一枚。(撮影/松本かおり)