男子7人制ラグビー日本代表が、勝負の時を迎える。
4月6〜8日、香港で「HSBC ワールドラグビーセブンズシリーズ 2018-2019 コアチーム予選大会」に挑戦。来季のワールドシリーズへ常時出場するコアチームに入るための戦いだ。コアチームに入ればワールドシリーズ上位陣の強豪と定期的に試合がおこなえるため、2020年のオリンピック東京大会への強化スピードを促進させられる。
「次のワールドシリーズが、オリンピックに向けた強化のできる、最後の場だと思っています。強いチームとやらないと、強くならない。(コアチーム予選大会)絶対、上がりたいですね」
橋野皓介は言う。鋭いランを持ち味とし、普段は国内トップリーグのキヤノンで15人制をプレー。7人制での代表経験も豊富な30歳だ。
4位入賞した2016年のリオデジャネイロオリンピックではメンバー入りを逃したが、当時の瀬川智広ヘッドコーチ(HC)政権下でも世界各国を転戦。いまのダミアン・カラウナHCのもとでも、経験者の確保に難儀するチームでリーダーシップを発揮している。
過去と現在の体制の違いを「瀬川さんの時は過酷なトレーニングで鍛えるというもの。今回のダミアンはまず戦術を理解して…と頭の部分を鍛えている」としたうえで、いまのチームを成長させたいとする。
3月12日からは、関東各地で練習をおこなう「男子セブンズ・デベロップメント・スコッド強化合宿」に参加。最終日の21日は、練習会場の東京・キヤノンスポーツパークは雪に見舞われた。この場所を本拠地とする橋野は、「こういう状況でもラグビーはやるので、(悪天候下での練習が)できてよかった」。手元がかじかむなかでもミスが少なかったことに喜び、強化合宿の成果を語った。
「キャンプではディフェンスにフォーカスを当てていました。ディフェンスシステムをちゃんと理解して、7人で同じディフェンスができるようになった。横とのコネクションを取って、7人で壁になるというディフェンスです」
25日から4月1日までは沖縄で合宿を張り、香港でのバトルへ照準を合わせる。トップリーグ開幕後の招集依頼への対応など組織的な課題こそ残すが、「僕としてはワールドシリーズに全部、出たい」。来るべきオリンピックに向け、こんな希望を明かしている。
「チームとしてはできるだけ固定されたメンバーで強い相手と戦うことが必要。いまやっているラグビーをいかに理解させるかが大事」
選手間の連携を、一般的な「戦術の共有」を超えたレベルに引き上げたい。
(文:向 風見也)
<2018-2019 コアチーム予選大会>
【プールE】 日本、ウガンダ、チリ、ジョージア
【プールF】 パプアニューギニア、ドイツ、香港、ジンバブエ
【プールG】 アイルランド、ウルグアイ、ジャマイカ、クック諸島
※ 各プールで総当たり戦を実施し、各1位・2位と、3位のなかで成績上位2チームが準々決勝進出。
※ 優勝チームがコア昇格となる。
<男子セブンズ日本代表>
小澤大(トヨタ自動車ヴェルブリッツ)、合谷和弘(クボタスピアーズ)、坂井克行(豊田自動織機シャトルズ)、ジョセ・セル(北海道バーバリアンズ)、副島亀里ララボウ ラティアナラ(コカ・コーラレッドスパークス)、ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス)、橋野皓介(キヤノンイーグルス)、本村直樹(ホンダヒート)、安井龍太(神戸製鋼コベルコスティーラーズ)、山内俊輝(リコーブラックラムズ)、シオシファ・リサラ(豊田自動織機シャトルズ)、ジョセファ・リリダム(NTTドコモレッドハリケーンズ)